オフの間の1日6食で昨季の78キロから85キロにパワーアップ
■福岡ソフトバンク 11-1 千葉ロッテ(7日・ヤフオクドーム)
8年目で飛び出した待望の一発だった。7日、ヤフオクドームで行われた千葉ロッテ戦。大量5点を奪った8回に、この日チーム6本目の本塁打を右中間ホームランテラス席に叩き込んだのが、釜元豪外野手だった。
松田、上林の2者連発でヒートアップした本拠地をさらに沸かせた。2ボール1ストライクからの4球目、真ん中へ入ってきたスライダーを完璧に捉えた。打球は大歓声に押されて右中間のホームランテラス席へ消えた。
「あのゾーンに(本塁打を)打てる選手じゃないので全力疾走してました。正直狙ってました。本当に打てたのはたまたまですけど、入ってくるスライダーのイメージでした」。プロ8年目、通算15試合目の出場で飛び出したプロ初本塁打だった。
2011年の育成ドラフト1巡目で入団した釜元。2015年に支配下契約を勝ち取ったが、その後も1軍での出場機会は多くなかった。「スイングの強さが物足りなかった」。昨オフから肉体強化のために体重増に取り組んだ。昨季の78キロからキャンプイン時点で85キロまで増加し「自分の感覚の中での変化はないんですけど、周りの人からはスイングが強くなったと言われるようになりました」という。
この体重増加には、工藤公康監督とのある“約束”が隠されていた。「秋の段階で言われていました。体を強くしろと。82キロを切ったら2軍に落とすって言われてました」。秋季キャンプが終わってから“食トレ”に取り組んだ。「お腹が空いている状況を作らないようにしてました」。朝、朝昼、昼、昼夜、夜、そして寝る前。「必死に増やしました」。食べて食べて、食べ続けた。現在は83キロをキープしている。
その成果が詰まったプロ初本塁打。「今後も維持できるようにしないといけないですね」。昨季は夏場以降に成績が落ちた。体力強化と体力維持が今後の課題とはなるが、育成出身の8年目が確かな成長の跡を示した瞬間だった。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
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