学生たちにスポーツ業界ではたらくきっかけを!「パーソル パ・リーグ大学for dodaキャンパス」レポート

パ・リーグ インサイト

2019.3.27(水) 19:22

(C)PLM
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就職活動前の大学1・2年生と、「はたらく」を考える

 2019年3月7日(木)、「純粋に野球が好き」、「スポーツビジネスに興味がある」「好きなことを仕事にしたい」さまざまな思いを胸に、学生たちが東京・西新宿の新宿三井ビルに詰め掛けた。

 この日開催されたのは、総合人材サービスのパーソルホールディングス株式会社と、パシフィックリーグマーケティング株式会社(以下PLM)による、就職活動前の大学1・2年生に「はたらく」を考えるきっかけを提供するイベント「パーソル パ・リーグ大学 for dodaキャンパス」。当イベントは、ベネッセホールディングスとパーソルキャリアによる合弁会社、株式会社ベネッセi-キャリアが運営する成長支援&逆求人型就活サービス「doda(デューダ)キャンパス」が主体となって行われ、PLMによるスポーツビジネスについての解説や、パ・リーグの球団に新卒で入社した若手社員たちによるトークセッションが実施された。

左から、PLM園部健二氏、東北楽天山本澪氏、北海道日本ハム藤田真司氏、福岡ソフトバンク衛藤可南子氏。(C)PLM
左から、PLM園部健二氏、東北楽天山本澪氏、北海道日本ハム藤田真司氏、福岡ソフトバンク衛藤可南子氏。(C)PLM

はたらいて笑うために、好きなことを仕事にしよう

 はじめに、PLMでセールス&マーケティング、チーフディレクターを務めている園部健二氏による、他業種からスポーツビジネスへの転身を果たした自身のキャリアについてのプレゼンテーションがあった。そしてスポーツビジネスに興味のある学生に対してこう語る。

「スポーツビジネスと言っても売り物が”スポーツ”であるだけで、仕事内容は他の業界と大きく変わらない。お菓子を売るのもスニーカーを売るのも一緒で、どんな業界に行ってもやることは変わらないと思うんです。ならば、好きなことをやったほうが絶対に良い。はたらいて笑うために好きなことを仕事にしよう!」

 その後、「株式会社楽天野球団 ボールパークエンターテインメント部」の山本澪氏、「株式会社北海道日本ハムファイターズ コンシューマビジネス部ファンクラブグループ」の藤田真司氏、「福岡ソフトバンクホークス株式会社 MD運営部」の衛藤可南子氏の3名が登壇。園部氏を交えてトークセッションが繰り広げられた。

 まず、3人にうかがったのは、仕事内容について。

東北楽天の山本氏は、「楽天生命パークの外周にあるスマイルグリコパークとイーグルスドームの施設運営、イベントを主に担当しています。シーズン中はもちろん、オフシーズンも東北楽天を身近に感じてもらうための施設として運用、企画をしています」と話す。

「北海道日本ハムのファンクラブの業務全般をやっています」と話す藤田氏は、ファンクラブ運営について述べた。「ファンクラブは会員ビジネスとしての側面もあるんですけど、今抱えているファン、顧客をより球場に呼ぶ、購買意欲をわかせ顧客を動かす業務がメインになっています。他にも、会員獲得や会員制度を考えたり、ファンクラブの運用管理をしています」

 福岡ソフトバンクの衛藤氏は、グッズショップの運営について話す。「商品企画部が企画したグッズをどのように売っていくかを考えるのが、MD運営部の仕事です。店舗での陳列方法や、販促物などを考えています。また、グッズ販売を委託している会社と連携を取って、在庫の調整なども行っています」

 次のトークテーマは、球団に就職しようと思ったきっかけについて。野球への情熱あり、地元愛あり、ミーハー心ありと三者三様の理由が聞かれた。

 生まれ育ちが福岡。大学進学を機に上京し、Uターン就職をした衛藤氏は、「ただただ福岡ソフトバンクが好きだから入りました。大学2, 3年生のときにカッコいい野球選手見たさにパ・リーグ6球団の球場を全部回るくらい(笑)。その際に見た球場演出が球場ごとに全く異なることに感銘を受けて、その演出を大好きなヤフオクドームで、と思うようになり、3月1日の就活解禁日から情報を集めて球団職員になりました」

 北海道出身の藤田氏は、「小学生のときに球団が札幌にやってきて、気づいたらファンになっていました。2006年に北海道日本ハムが優勝したときに球場で感動し、スポーツの素晴らしさを感じると同時に、優勝インタビューで選手が、『今日優勝できたのはチームみんなとのスタッフのおかげです』と言っていたのを聞いたのが、球団に“スタッフ”がいると知ったきっかけでした」

 宮城県内の大学を卒業したのちに、東北楽天の球団団員になった山本氏が、球団への就職を考えたきっかけは震災にあった。「東日本大震災が発生して東北にマイナスなイメージがついてしまったのがショックで、どうしたら東北は元気に頑張っていると発信していけるのかを考えたことがありました。大学3年生のときに東北楽天が初めて日本一になり、スポーツの力で人を感動させる瞬間を間近で見て、東北楽天の球団団員になりたいなと思いました」

 そして、まだ就活前の学生だからこそ気になる、先輩たちが就活に挑む前までの学生時代の過ごし方。特に、大学生のうちにこれをやっておくべきだと思うものについての話題に及ぶ。衛藤氏は、自らの経験を振り返った。

「私は好きなことの追求が結び付きました。6球団の球場を巡ったという強みを生かし、面接の際に各球場の良かった点、悪かった点を全て言いました。好きなことを調べたり自分で足を運んだりしないとわからないことってたくさんあると思うので、皆さんには時間があるうちに、好きなことを追求してほしいと思います」

 山本氏は社会人の先輩としてこう語った。「会える大人にたくさん会って欲しい。企業の社長なんてそんな簡単に会えないですし、”学生”という看板を背負っているうちじゃないと会えない人はたくさんいます。嫌かもしれないですが、今のうちに嫌がらずに会いに行ってほしいと思います」

1日の流れは? 大変なことは? 学生からの多くの質問が(C)PLM
1日の流れは? 大変なことは? 学生からの多くの質問が(C)PLM

 次に壇上4名への質疑応答が行われた。まずは、1日の仕事の流れについて。3球団とも大きな違いはなく、「ナイトゲームであれば午後に出勤して夜遅くまで仕事です。デイゲームだと8時~9時出勤が多く、試合時間に合わせて勤務しています」と回答。山本氏は「普通の企業に勤める方は、日曜夜って憂鬱だと思うんですが、私たちは月曜日には試合がないことが多いので休みの日になることが多く、日曜夜が“華金”みたいなものですね」と答えた。

 球団に入って良かったこと、大変だったことについても、多くの学生から挙がった質問だった。入社4年目の藤田氏は、「シーズン中はカレンダー通りに休みがとれるわけではないので、連戦がつづくと疲労感があることもあります。しかし、大前提として好きでやっているので嫌だなとは感じないし、精神的に苦しいということはないですね。良かったことは2016年の優勝、日本一の年。球場内であの歓声を聞いたときは、“球団で働いていて良かったな”と思いました」と語った。

 他にも「入社試験の倍率は?」などの純粋な疑問から、「高齢者や女性に向けてどのようなサービスを行っているか」「今いるライトユーザーをどう引き込むか」といった一歩踏み込んだ内容のもの、中には「選手との距離感は?」「優勝したら良いことあるの?」など笑いを誘うような質問も飛び出し、和気あいあいとした雰囲気で進行していった。

 「スポーツビジネスの世界ではたらくきっかけ」を大学生に提供するために開催された『パーソル パ・リーグ大学for dodaキャンパス』。倍率100倍を優に超える狭き門を抜けてスポーツ業界に足を踏み入れた先輩たちの話を聞けたことは学生にとって貴重な体験となったはずだ。

 イベントの様子はdodaキャンパスのサイトにて2019年4月上旬より無料公開される。興味のある方は一度覗いてみてはいかがだろうか。

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