「俺たちとこのチームでいつまでも」。千葉ロッテ・根元俊一は2度目の復活を期す

パ・リーグ インサイト 望月遼太

2018.1.17(水) 00:00

自身2度目の「復活」を期す1年が始まる。千葉ロッテの根元俊一内野手が、昨年、プロ12年目のシーズンを終えた。3年にわたって続く不振から抜け出すことはできなかったが、10月に受けた手術からも順調に回復中。今年、主力への返り咲きを虎視眈々と狙っている。

花咲徳栄高校と東北福祉大学で主軸として活躍した根元選手は、2005年の大学生・社会人ドラフトで千葉ロッテから3巡目指名を受ける。ルーキーイヤーからファームで首位打者に輝くと、3年目の2008年には一軍で本格的なブレイクを果たした。惜しくも打率3割に届かなかったが(.296)、二塁のレギュラーの座をつかみ、大きな飛躍を果たす1年とした。

しかし、同年オフに井口資仁氏(現・千葉ロッテ監督)がメジャーリーグから日本球界に復帰し、新しくチームに加わったことで、一度はつかんだはずの定位置を手放すことに。だが、西岡剛内野手(現・阪神)が渡米したことをきっかけに遊撃に抜擢されると、2012年、再び持ち味が発揮される。リーグトップタイの40犠打、キャリアハイの9本塁打。遊撃を務めながら打率.279をマークし、レギュラー復活を印象付けた。

続く2013年は、かつて主戦場とした二塁に再びポジションを移すことに。このシーズンも、ファールで粘って球数を投げさせるしぶとさと、意外性のある打撃を武器に活躍。ところが翌年、クルーズ選手が入団したことで、またしても苦闘を強いられる。2017年シーズンはチームの連敗を止めるサヨナラ打で存在感を発揮したものの、40試合で打率.220。一軍での居場所を確保しきれない状況が続いている。

ただ、昨年は根元選手にとって、転機となりうる出来事が2つ起こった。まずは母校・花咲徳栄高校の夏の甲子園優勝だ。埼玉県勢としても初の栄冠。「本当に嬉しいし、励みになります」と笑顔を見せた根元選手。母校の大躍進に負けてはいられないだろう。また、大先輩・井口資仁氏の監督就任も、小さくはないファクターだ。間近で見てきた根元選手のことを、新人監督がどのように評価しているのか興味深い。

現在34歳、今年でプロ13年目を迎える根元選手。ファンは「俺たちとこのチームで いつまでも」と声援を送り続けてきた。今年は打撃スタイルと同様の粘りを見せて期待に応え、再び鮮やかな復活劇を魅せることができるだろうか。

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パ・リーグ インサイト 望月遼太

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