12年に一度のきっかけが飛躍に結び付くか。パ・リーグの「年男」選手たち

パ・リーグ インサイト 吉田貴

2018.1.11(木) 00:00

東北楽天ゴールデンイーグルス・藤田一也選手(C)パーソル パ・リーグTV
東北楽天ゴールデンイーグルス・藤田一也選手(C)パーソル パ・リーグTV

2018年は「戌年」である。NPBの現役の中にも「年男」として新たな気持ちでシーズンに臨む選手は少なくない。1982年、1994年生まれ選手がそれに該当する。そこでここでは、パ・リーグ各球団の年男を紹介したい。

※支配下選手のみ

【北海道日本ハム】
・上沢直之投手
・上原健太投手
・井口和朋投手
・高良一輝投手
・吉田侑樹投手
・森本龍弥選手
・石井一成選手
・森山恵佑選手

上沢投手は昨年、726日ぶりの勝ち星を手にし、右肘関節滑膜ヒダ切除術という大手術からの復活を印象付けた。今年7年目を迎えて背番号も「15」に変更となり、エース格としての働きが期待されている。

昨年1年目ながら114試合に出場した石井一選手は、強肩を生かした守備で、一軍の壁に真っ向から立ち向かった。課題の打撃も、シーズン終盤は成長の兆しを見せている。新たな和製大砲候補・森山選手は、昨年イースタン・リーグの本塁打王に輝いた。まずは今年一軍で本塁打を放ち、存在感を示したい。

【楽天】
・森雄大投手
・池田隆英投手
・菅原秀投手
・鶴田圭祐投手
・下妻貴寛選手
・茂木栄五郎選手
・藤田一也選手
・田中和基選手

昨年102試合に出場し、華麗な守備で何度もチームの窮地を救った藤田選手も今年で36歳。そのちょうどひと回り年下で、同じ戌年の茂木選手とは、二遊間を組むことも多い。プレースタイルは異なるが、今年も2人の活躍には大きな期待が持てるだろう。

また、昨年ルーキーだった両打ちの外野手・田中選手にも注目だ。51試合に出場し、試合を決めるプロ初本塁打も放つなど爪痕を残した。クライマックスシリーズの大舞台を経験できたことも、田中選手の成長の糧となるだろう。持ち味の俊足を存分に生かし、チームの課題と言われ続けている機動力向上に一役買いたい。

【埼玉西武】
・中塚駿太投手
・田村伊知郎投手
・誠投手

昨年終盤に念願の一軍登板を果たすと、150キロ超の速球で存在感を示した中塚投手。オフには豪州ウインターリーグに参加するなど、着々と経験を積んでいる。今年は一軍での登板数を増やし、さらに一段階レベルアップしたい。田村投手は1年目から12試合に登板し、ピンチに物怖じしない強心臓ぶりを見せた。昨年は平井投手や野田投手ら若手投手がブレイクしただけに、年男としてその波に乗らないわけにはいかないだろう。

【千葉ロッテ】
・佐々木千隼投手
・田村龍弘選手
・宗接唯人選手

2016年のドラフト1位・佐々木投手。昨年の中盤は苦しんだものの、9月には完投勝利を含む2勝を挙げるなど、史上初「5球団競合外れ1位」の確かな可能性を感じさせた。今年はローテーションの一角として、千葉ロッテ先発陣に新しい風を呼び込んでくれるはずだ。

苦しい戦いが続いた中でも、自己最多の132試合に出場した田村選手にも期待がかかる。井口新監督の下で扇の要として活躍し、恩師・伊東元監督への恩返しとしたい。先述した佐々木投手との年男バッテリーが実現する日もそう遠くはないだろう。

【オリックス】
・K-鈴木投手
・比嘉幹貴投手
・澤田圭佑投手
・黒木優太投手
・青山大紀投手
・山崎勝己選手
・中島宏之選手
・武田健吾選手

ベテラン・中島選手も年男だ。昨年は日本球界復帰後最多となる124試合に出場し、打率.285の好成績を残した。得点圏打率.294と、持ち前の勝負強さも取り戻しつつある。また、昨年はルーキーながらチーム2位タイの55試合に登板した黒木投手。平野佳寿投手がメジャーリーグに挑戦し、北海道日本ハムから増井浩俊投手が新しく加入するなど、転換期を迎えるブルペン陣の中で、昨年同様に勝利のバトンをつなぎたいところだ。

【福岡ソフトバンク】
・中田賢一投手
・田中正義投手
・攝津正投手
・内川聖一選手
・真砂勇介選手

二度の最優秀中継ぎ、最多勝、沢村賞などを獲得した攝津投手は、長い間第一線でチームを支え続けた1人だ。しかし近年は、満足のいく成績を残すことができていない。同じ1982年生まれには、キャプテン・内川選手がいる。同世代の活躍に奮起し、再びチームの勝利に貢献することができるか。

2016年ドラフト1位として大きな期待を背負って入団した田中投手。1年目の昨年は怪我に苦しみ、一軍のマウンドに立つことはできなかった。しかし、5球団競合の右腕が秘める潜在能力は未知数。福岡ソフトバンクは充実した育成環境を誇るチームでもあるため、長い目で見守りたいところだ。

以上、パ・リーグ各球団に在籍する年男を見てきた。このリストには載っていないが、エンゼルスの大谷翔平選手も1994年生まれの年男だ。酉年だった昨年、競馬においては年男の武豊騎手の活躍がめざましく、スポーツ界では意外と取り上げられる干支の話題。自身の腕のみで生き抜く勝負の世界とはいっても、新たな気持ちでシーズンに臨むためには、それも良いきっかけとなるのかもしれない。これからチームを背負う選手、ベテランとして背中でチームをけん引する選手。それぞれの年男にとって、充実したシーズンにしてほしい。

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パ・リーグ インサイト 吉田貴

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