2019年は空前の大豊作? 開幕1軍入り候補多数、12球団ドラ1の現在地

Full-Count

2019.3.7(木) 11:56

埼玉西武の松本航(左)、福岡ソフトバンクの甲斐野央(中央)、広島の小園海斗※写真提供:Full-Count(写真:安藤かなみ、福谷佑介、荒川祐史)
埼玉西武の松本航(左)、福岡ソフトバンクの甲斐野央(中央)、広島の小園海斗※写真提供:Full-Count(写真:安藤かなみ、福谷佑介、荒川祐史)

埼玉西武松本や福岡ソフトバンク甲斐野、広島小園ら続々アピール中

 プロ野球界はオープン戦がスタートし、各球団が3月29日のペナントレース開幕へ向けて着々と準備を進めている。一部の球団では開幕投手が決定し、開幕1軍入りやレギュラーの座を争う熾烈な競争が、ここから約3週間にわたり展開されていく。

 今季、例年以上に目立つのが、各球団のドラフト1位ルーキーたちのアピール。埼玉西武の松本や福岡ソフトバンクの甲斐野ら即戦力の大卒だけでなく、千葉ロッテ藤原や広島小園といった高卒ルーキーたちも奮闘中。ここから各球団、開幕1軍入りに向けてふるい落としが徐々に始まっていくことになるが、2019年はかなり多くのドラ1ルーキーが開幕1軍の切符を掴みそうだ。
 
 そこで、キャンプからここまでの各球団のドラフト1位の現状を見てみよう。

◯埼玉西武 松本航投手
 即戦力として開幕ローテ入りが期待されている。キャンプは1軍に抜擢されて順調にメニューを消化していくと、2月26日に行われた韓国・斗山との練習試合で対外試合デビュー。3回を投げて2安打1失点、6個の三振を奪う好投を見せた。近くオープン戦でも登板する予定。内海、榎田と先発候補に離脱者が出ており、開幕ローテ入りは有力か。

◯福岡ソフトバンク 甲斐野央投手
 キャンプも主力の集うA組に抜擢され、見事に生き残った。打撃投手、シート打撃、紅白戦と着々とアピールを続け、オープン戦初登板となった3日の阪神戦では最速158キロをマークして衝撃を与えた。7日の埼玉西武戦でも最速157キロで埼玉西武打線を封じ、開幕1軍入りへアピールを続けている。

◯北海道日本ハム 吉田輝星投手
 昨夏の甲子園を熱狂させた右腕だが、じっくりと育成するためにキャンプは2軍スタート。2月16日には1、2軍合同の紅白戦で先発し、大田に本塁打を浴びて1回を1安打1失点だった。キャンプ終盤には右前腕部の張りを訴えたものの、それも回復し、現在は投球練習を再開している。開幕1軍の可能性は低い。

◯オリックス 太田椋内野手
 高卒遊撃手の太田は2軍でキャンプイン。紅白戦を含めたキャンプ中の実戦5試合で打率4割をマークするなど、存在感を発揮。2日に行われたウエスタン春季教育リーグ広島戦では「3番・遊撃」でスタメン出場し1安打1打点。高卒ルーキーのため、開幕1軍の可能性は低いが、将来が楽しみな存在だ。

◯千葉ロッテ 藤原恭大外野手
 高卒新人ながら1軍キャンプに抜擢されると、先輩たちとも遜色ないプレーを披露している。2月14日の中日との練習試合で3安打の大暴れを見せると、その後もコンスタントに快音を響かせている。オープン戦ではここまで3試合で2安打。開幕1軍入りどころか、開幕スタメンの可能性も感じさせている。

東北楽天辰己は対外試合で既に2本塁打を放ち、開幕スタメンも狙える

◯東北楽天 辰己涼介外野手
 即戦力外野手として1軍キャンプに組分けされると、期待に違わぬアピールを見せている。17日の千葉ロッテとの練習試合で逆方向に本塁打を放つと、24日の東京ヤクルトとのオープン戦ではオープン戦新人初アーチとなる2ラン。台湾遠征でも3安打の固め打ちを見せており、開幕スタメンに前進している。

◯広島 小園海斗内野手
 高卒新人ながら1軍キャンプに抜擢されると、随所でその高いポテンシャルを発揮している。3日に行われた埼玉西武とのオープン戦では右翼席へ“プロ1号”の本塁打を放ち、マルチ安打もマーク。開幕1軍入りへアピールを続けているが、遊撃のレギュラーには田中広輔がおり、控えの層も厚い。1軍に帯同させるか、2軍で経験を積ませるか、悩ましいところだろう。

◯東京ヤクルト 清水昇投手
 即戦力右腕として1軍キャンプに組み込まれた右腕。キャンプ序盤に発熱するアクシデントはあったが、その後は順調にキャンプを消化した。2日の巨人戦でオープン戦初登板を果たし、2回を3安打無失点。今後は2軍戦で先発として登板を重ねていくもようだ。

◯巨人 高橋優貴投手
 即戦力左腕として1軍キャンプに抜擢。シート打撃で阿部や岡本から三振を奪うなどキャンプ序盤から好投を続けた。1軍のオープン戦試合数にも限りがあるため、6日のイースタン教育リーグ・埼玉西武戦で先発。5回5安打1失点、4四死球を与えるも、6個の三振を奪った。競争は熾烈だが、開幕ローテ入りの可能性も。

◯横浜DeNA 上茶谷大河投手
 先発ローテ候補として加入し、キャンプは1軍で完走。2月20日の千葉ロッテとの練習試合で実戦初登板し2回パーフェクト、同26日の韓国KIA戦でも2回1安打無失点と好投を続けている。開幕ローテの有力な候補の1人となっており、7日の中日とのオープン戦で先発が見込まれている。

◯中日 根尾昂内野手
 4球団が競合し、中日に入団した根尾。当初は1軍キャンプメンバーに抜擢されたが、新人合同自主トレ中に右ふくらはぎを軽度の肉離れを負い、2軍キャンプに。慎重にリハビリを行ったため、2軍本隊への合流はキャンプ終盤になってから。近く実戦デビューとなりそうだが、現時点では、12球団のドラフト1位でただ1人、まだ実戦への出場がない。

◯阪神 近本光司外野手
 俊足巧打の即戦力外野手としてアピールが続いている。キャンプ中から存在感を発揮し、オープン戦初出場となった2月23日の東京ヤクルト戦で早速“初安打”を記録。2日の福岡ソフトバンクとのオープン戦では甲斐拓也捕手から盗塁を決め、3日の同戦と2試合連続マルチ安打を放った。ここまでオープン戦打率4割。開幕1軍へ大きく前進している。

 埼玉西武松本、福岡ソフトバンク甲斐野、東北楽天辰己、横浜DeNA上茶谷、阪神近本の開幕1軍入りは有力だろう。千葉ロッテ藤原、広島小園、東京ヤクルト清水、巨人高橋も可能性は十分。北海道日本ハム吉田、オリックス太田、そして中日根尾は2軍でじっくりと育てられることになるだろうか。

 3月29日のプロ野球開幕。果たして、この12人のドラフト1位たちが何人、開幕の29人枠に名を連ねることになるだろうか。

(Full-Count編集部)

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