埼玉西武の将来を担うエース候補、それが今井達也投手だ。2016年にドラフト1位で埼玉西武の一員となった高卒ルーキーは、日々一軍のマウンドを目指して奮闘している。
2016年の夏の甲子園。作新学院のエースだった今井投手は、150キロを超える速球で一気に夏のスターへの階段を駆け上った。決勝までの全ての試合に登板し、見事にその腕で母校を54年ぶりの甲子園優勝に導く。続く「第11回 BFA U-18アジア選手権大会」でも好投し、その年のドラフトで埼玉西武が単独1位指名。晴れてプロの世界へと足を踏み入れた。背番号は、同年オフに楽天に移籍した元エース・岸投手の「11」である。
1年目の今季は高校時代の疲労もあってか、開幕前に右肩を故障。出遅れる形となったが、4月15日の巨人戦でファーム初登板を果たす。7月13日のフレッシュオールスターゲームにも選出され、悪天候をものともせずに最速151キロの直球で1回を無失点に抑えた。
さらに、8月4日の東京ヤクルト戦では、5回を投げて11奪三振、1失点の快投でファーム初勝利を挙げる。直球は最速152キロを計測し、3回まで9個のアウトのうち8個を三振で奪うなど、黄金ルーキーとしての実力を遺憾なく発揮した。
そんな今井投手の持ち味は、そのすらりとした体格からは想像もつかないような剛速球だ。全身を使って投じられる直球はその伸びも抜群。常時140キロ台後半を計測し、最速152キロを誇る。この直球を軸に、スライダーとのコンビネーションで三振の山を築いていく。また、速球派の投手には珍しく確かな制球力を持っているのも魅力だ。
2017年シーズンは故障の影響もあり、不完全燃焼なルーキーイヤーとなってしまったが、まだまだ今井投手のプロ野球人生は始まったばかりだ。11月23日に行われた「LIONS THANKS FESTA 2017」では、印象に残っている同世代の選手として、楽天の藤平投手を挙げた。すでにプロで3勝をマークしている藤平投手の存在は良い発奮材料となっていることだろう。ファームでその力を着実に伸ばした今井投手が、来季以降一軍マウンドで躍動する姿を、ファンは心待ちにしている。
記事提供: