メモリアルな1日を、劇的な勝利で飾った。北海道日本ハム10日、千葉ロッテに延長12回にレアード選手のホームランでサヨナラ勝ち。札幌移転後、本拠地の500勝を達成させるとともに、2007年に記録した球団記録の14連勝に並んだ。
レアード選手にとっては、まさに本塁打を打つ最高の環境が整った。延長12回無死、9番手の木村投手がいきなり3球連続ボール。球場のボルテージも最高潮に達した中、待ってましたとばかりの高めの直球をはじき返した。「頼むから入ってくれ、入ってくれと思った」。思いが乗り移ったかのような25号。手荒い歓迎が、今季最長となる5時間10分のゲームの終わりを告げた。
13連勝中の勢いは、5点の点差もモノともしなかった。無得点で迎えた7回1死1塁、岡選手の左中間への今季1号2ランで反撃ののろしを上げると、1死1,2塁から陽選手、中田選手の連続適時打で1点差まで詰め寄る。そして9回2死、がけっぷちでチームを救ったのは職人・田中賢選手。相手守護神・西野投手もガックリと肩を落とした右翼へ弾丸ライナーの同点弾。「あんまり(本塁打は)狙わないんですけど、あそこは狙ってもいいかなと思った。会心の当たりだったけど、意外とギリギリでした」と苦笑いで振り返ったが、試合を振り出しに戻す一撃となった。
本拠地が札幌に移転してから、ホーム500勝を達成。試合後はセレモニーが行われ、トレイ・ヒルマン元監督の祝福のビデオメッセージも流された。そのヒルマン政権時代に記録した14連勝に並んだ。当時から主力として貢献してきた田中賢選手は今のチームについて「勢い、破壊力がある。大量で負けていても、逆転するんじゃないかと思えるチーム」と、自信を示した。新たに刻んだ球団の1ページ。「メモリアルな日に、劇的な勝ち方ができて、我ながらすごいなと思います」とお立ち台で笑顔を見せた。
この日はエース・大谷選手が7回途中3失点。7回に右手中指を負傷し、降板した。初回に31イニングぶりの失点となる先制点を許すなど嫌な空気も漂ったが、それをチーム全員で跳ね返した。11日は京セラドーム大阪に乗り込んで、オリックスと球団新記録の15連勝をかける。「質の高い、いい野球を続けていきたい。チーム一丸となって、やっていきます」と、お立ち台で田中賢選手。劇的な逆転劇を飾った翌日、新記録達成も現実味を帯びてきた。
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