名実ともにエンゼルスの“顔” 巨大看板に「うれしいんじゃないかなと思います」
エンゼルスのキャンプ地、アリゾナ州テンピ・ディアブロ・スタジアムの正面ゲートに、巨大な大谷翔平投手のバナーが新たに登場した。移籍1年目の昨年は当然、大谷の写真はなかったが、今年はエンゼルスの主砲マイク・トラウト外野手との“2枚看板”写真がファンを出迎えている。これについて、エンゼルス広報担当副社長のティム・ミード氏に直撃した。
現代野球で前例のない“二刀流”に挑戦中の大谷。昨年は投手として4勝、打者として22本塁打を打つなどの活躍で新人王を受賞し、スターダムを駆け上がっている最中だ。そんな大谷について、ミード氏は「マーケティングの面もあるが、やはり優れた、人気のある選手という地位を勝ち取ったからバナーに載っているんだ」と評価。「新人王を獲るなどの彼の活躍は、カリフォルニアのファンだけでなく、野球ファンのためにやったこと。注目すべき価値のある選手だからこそあそこにいるんだよ。この先何年もバナーに載っていられればいいと思っているよ」。大谷がエンゼルスの一員として長く活躍することに期待している。
球場バナーの“仲間入り”を果たし、トラウトらとともにエンゼルスの“顔”として認識され始めている大谷。エンゼルスのレギュラーシーズンの本拠地、エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイムにも巨大写真が登場することになるのだろうか。
ミード氏に直撃すると、「もちろん載せるつもりだよ」と力強い返答が返ってきた。「彼はすごい選手であり、“カリスマ”的な存在なんだ。大谷はちゃんと期待に応えているから、今度は(マーケティングという面で)我々が期待に応えないとね」と語った。「トラウトやプホルスや大谷はすごい選手であるから、もちろん個人の選手としてマーケティングしているけど、みんなエンゼルスのプレーヤーだから、もちろんエンゼルスのマーケティングとしてやっているんだよ」。2年目にして、大谷は営業面での貢献度も高い。
1981年の「フェルナンド・マニア現象(往年の名投手のフェルナンド・バレンズエラ投手が、史上初めてサイ・ヤング賞とMVPを同時受賞し、熱狂的なファンが多く球場に集まったこと)」の影響で、82年には360万人のファンがドジャースタジアムに訪れた。今年はアナハイムでは“大谷マニア”現象が起こるのでは……。ミード氏は「確かに似ているね」と笑うと、「ワールドシリーズを勝ったシーズンは230万の人が来たからね。そして翌年は300万人だった。次の年は去年観られなかったファンたちも来るから増えるんだろうね」と分析。今年の観客数増加を見込んでいた。
オフに受けたトミー・ジョン手術の影響で、今季は打者に専念することが決まっている大谷。巨大看板について質問されると「うれしいんじゃないかなと思います」と控え目に喜びを表現した。エンゼルスの“顔”として、今後の活躍に注目だ。
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