歴代トップは清原の1955三振、現役では埼玉西武中村が唯一10傑入り
三振は、打者にとっては悪い記録ではあるが、長打を打つためにフルスイングすることの代償、コストという解釈もできる。
三振は、昭和の時代に比べてはっきり増加しているリザルトだ。1969年の1試合当たりの三振数はパが4.85個、セが5.95個だったが、2018年はパが7.08個、セが7.22個にまで増加している。長打を狙う打者が増えたことに加え、投手がフォークやチェンジアップなど空振りを奪える変化球を多用するようになったことも大きいとされる。
〇NPBの通算三振数10傑()は実働期間。所属があるのは現役
1 清原和博 1955三振(1986-2008)
2 谷繁元信 1838三振(1989-2015)
3 山崎武司 1715三振(1989-2013)
4 秋山幸二 1712三振(1981-2002)
5 金本知憲 1703三振(1992-2012)
6 新井貴浩 1693三振(1999-2018)
7 中村紀洋 1691三振(1992-2014)
8 T.ローズ 1655三振(1996-2009)
9 中村剛也(西) 1602三振(2003-2018)
10 衣笠祥雄 1587三振(1965-1987)
本塁打、安打など打撃の主要な記録は、王貞治、張本勲、野村克也など昭和の大打者が並ぶが、三振に関しては上位には平成の打者がずらっと並ぶ。NPB史上1位の868本塁打を打った王貞治は1319三振で20位だ。昭和と平成では野球そのものが変わっていることがわかる。
1位の清原は、2338試合で1955三振。1試合に1個弱のハイペースで三振をした。巨人時代の1997年には152三振を喫している。ただ、シーズン記録は1993年、ブライアント(近鉄)の204三振。シーズン記録の1位から4位まではブライアントだった。
昔の打者は三振を喫することを「恥」とする感情が強かったが、今は「三振は長打のコスト」と割り切っている打者が多いようだ。それもあり三振数が増えているといえる。
今季はT-岡田、坂本、中田らが大台達成の可能性
〇現役の三振数10傑
1 中村剛也(西) 1602三振(2003-2018)
2 福留孝介(神) 1311三振(1999-2018)
3 阿部慎之助(巨) 1283三振(2001-2018)
4 松田宣浩(ソ) 1237三振(2006-2018)
5 鳥谷敬(神) 1223三振(2004-2018)
6 中島宏之(巨) 1152三振(2002-2018)
7 福浦和也(ロ) 1089三振(1997-2018)
8 栗山巧(西) 1046三振(2004-2018)
9 陽岱鋼(巨) 1007三振(2007-2018)
10 細川亨(ロ) 1003三振(2002-2018)
最多は歴代でも9位に入っている埼玉西武の中村。NPBでは1000三振から500刻みで記録を公表しているが、中村は昨年、4月13日に史上12人目の1500三振を記録した。本塁打王6回の屈指の強打者だが、その代償はかなり大きい。
1000三振以上は過去66人が記録している。現役では10人だが、今季さらに以下の打者が大台に達する可能性がある。
T‐岡田(オ) 952三振(2006-2018)あと48三振
坂本勇人(巨) 952三振(2007-2018)あと48三振
中田翔(日) 906三振(2009-2018)あと94三振
石原慶幸(広) 880三振(2002-2018)あと120三振
糸井嘉男(神) 871三振(2007-2018)あと129三振
丸佳浩(巨) 862三振(2010-2018)あと138三振
丸は昨年、130三振を記録。昨年同様の活躍をすれば、1000三振にも近づくだろう。痛し痒しの記録ではある。
(広尾晃 / Koh Hiroo)
記事提供: