今季自己最多の85試合に出場した千葉ロッテの三木選手が、打率.242をマークした。プロ4年目で初めての打率2割台。安打数も昨季の10本から50本に増え、課題とされてきた打撃でアピールに成功したと言ってもいいだろう。
右手の指を骨折し8月下旬に無念の戦線離脱となったものの、チーム随一の守備力も評価され、激しい内野のレギュラー争いにおいては頭一つ抜けた存在だ。井口新監督の下、来季から生まれ変わるチームで、三木選手の勝負強い打撃と堅実な守備は必ず力になるだろう。
三木選手は遊学館高校を卒業後、上武大学に進学。2年秋の関甲新リーグで首位打者、3年春には打点王を獲得する。日本大学野球選手権ではチームの創部初の優勝に貢献すると、2013年のドラフト3位で千葉ロッテに指名された。
1年目から主に代打や守備固めとして起用されるが、故障離脱もあり18試合の出場にとどまる。しかし、守備固めが中心ながら、2年目は40試合、3年目は75試合に出場するなど少しずつステップアップを果たし、レギュラーの座を手中に収めようとしていた。
そして今季、キャプテンの鈴木選手が二塁手にコンバートされたため、遊撃手のレギュラー争いが激化。後輩の中村選手や平沢選手が注目される中で、プロ入り3年間でわずか17安打に終わった打撃力の向上を図り、新たな打撃スタイルを模索した。
すると、5月30日の阪神戦で猛打賞を記録したことを皮切りに、6月23日のオリックス戦ではプロ初の4安打で勝利に貢献。高い得点圏打率も誇り、勝負強い打撃と堅実な守備で開幕から低迷するチームをけん引した。
このまま遊撃手の定位置を確保するかと思われたが、8月24日に右手に死球を受けて骨折。失意の中でファームでのリハビリ生活に突入した。しかし、8月27日の福岡ソフトバンク戦後に、今季限りでの引退を表明していた井口選手(現・監督)が、自ら希望して登録抹消。ファームの本拠地である浦和球場での調整を開始した。三木選手はこの機会に、大先輩からじっくりと薫陶を受ける時間を得て、来季に向けて気持ちを切り替えられたと言う。
来季からはその井口監督の下、改めて定位置確保に挑む三木選手。秋季キャンプでは外野手にも挑戦し、出場機会を増やす可能性を広げている。今季の怪我も乗り越えて、来季はさらに成長した姿を見せてくれることだろう。
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