9日に行われた交流戦第1戦は千葉ロッテが22-0でラミゴに大勝
さる2月9日に沖縄県石垣市で行われた「アジアゲートウェイ交流戦PowerSeries2019in石垣島」第1戦は、千葉ロッテマリーンズが、22-0という記録的なワンサイドゲームで、CPBL(台湾プロ野球)のLamigoモンキーズを下した。この試合には台湾からも記者が来ていたが、あまりのワンサイドぶりに、台湾メディアも大きく取り上げた。
10日付の台湾の4大紙の一つ「自由時報」のスポーツ面トップには、「像被對封方打撃練習、猿遭羅徳血洗」という大きな見出しが躍った。「まるで相手チームの打撃練習のように、猿(Lamigoモンキーズ)は羅徳(千葉ロッテ)に血で洗われた(惨敗した)」、という意味だ。「まるで相手チームの打撃練習のように」は、Lamigoの洪一中監督のコメントそのままだったという。
Lamigoは、アジアゲートウェイ交流戦には若手主体でチームを組んでくる。昨年の時点では、現北海道日本ハムの王柏融も在籍していたが、メンバーには加わらなかった。これに対し、千葉ロッテは投手こそ若手や1軍半を使うが、野手陣は主力級を並べることが多い。この試合も4番には井上晴哉が座り、新外国人のバルガスが5番、今季、大いに期待される2年目の安田尚憲が6番に座り、正捕手の田村も先発するなど、開幕メンバーに近い顔ぶれだった。もともと実力差は大きかったのだ。
ラミゴは17、18年の台湾シリーズ2連覇中、若手主体も惨敗…
Lamigoは昨年の台湾ドラフト1位で南華大学から入団した右腕、翁が先発。188センチ85キロ、最速146キロの直球が武器の期待の20歳だった。しかし翁は千葉ロッテの1番岡大海を遊ゴロに打ち取ったものの、安打と四死球で次々に失点、最後は9番・平沢大河に一発を浴びて7失点した。2回以降も千葉ロッテの猛攻は止まらず、3回で16-0。すでに1時間半が経過していた。Lamigoは6回、8回にも失点した。
Lamigoの惨敗が大きく取り上げられたのは、このチームが2017、18年と台湾シリーズを制して3連覇がかかる台湾一の強豪チームだったからだ。メンバーを落としたとはいえ、この惨敗は台湾のファンにとってもショックだったのだ。
「自由時報」は、この日、2本塁打した安田尚憲を取り上げた。また、この試合で千葉ロッテはチェン・グァンユウが2番手として1回を無失点、また8回には代打で出場した李杜軒がソロホームランを記録したが、彼ら台湾籍の2選手の活躍も取り上げていた。李は「自由時報」の取材に「キャンプでしっかり調整して、この調子を維持したい」と語っている。
千葉ロッテにとっても今季初の対外試合だけに注目度は高かったが、海の向こうの台湾でも、この試合は大きく注目されていたのだ。
(広尾晃 / Koh Hiroo)
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