“北海道で生まれて” 15年、ファイターズの歴史が映画に 監督が込めた思いとは?

パ・リーグ インサイト 藤原明日美

豪華な出演者にも注目だ (上段左から)栗山英樹監督、中田翔選手、稲葉篤紀氏、(下段左から)トレイ・ヒルマン氏、ダルビッシュ有投手、大谷翔平選手 (C)H.N.F.
豪華な出演者にも注目だ (上段左から)栗山英樹監督、中田翔選手、稲葉篤紀氏、(下段左から)トレイ・ヒルマン氏、ダルビッシュ有投手、大谷翔平選手 (C)H.N.F.

 「北海道日本ハムファイターズ誕生15thプロジェクト ドキュメンタリー映画『FIGHTERS THE MOVIE ~Challenge with Dream~』」が2月15日からの2週間、全国20カ所の映画館で公開される。

 この映画では稲葉篤紀氏をはじめとする時代を彩ったOB選手や、現役選手、監督、コーチなど、北海道移転後のファイターズを築き上げた人々がインタビューに登場。2004年の“誕生”から現在までの足跡をたどるとともに、これまで明かされてこなかったエピソードが数多く語られている。

 なぜ、ファイターズは映画を製作したのか? そこに秘めた思いとは? 本作の監督を務めた球団事業統括本部の小崎将史氏に話を聞いた。

大谷翔平選手 (C)H.N.F.
大谷翔平選手 (C)H.N.F.

“ファイターズらしさ”は今までの蓄積の上に

――映画を作るという構想自体はいつ頃からありましたか。

 昨シーズンの最初の頃だったと思います。 2018年シーズンは、球団が北海道に誕生し15年ということで『北海道日本ハムファイターズ誕生15thプロジェクト』が展開されました。イベントやプロモーションなどを企画していく中で、この映画のプロデューサーを努めた事業統轄本部の佐藤拓から、球団として「今までやったことのなかったことにチャレンジしよう」と。それで、「ファイターズの歴史をしっかり残せるものを」ということで、映画製作がスタート。そこから佐藤との二人三脚が始まりました。

――製作にあたり、印象に残っているシーンや、取材を通して何か感じたことはありますか。
 
 全てが印象に残っていますが、これまでファイターズに関わってきた方々が、どのようにしてファイターズをはじめプロ野球界、スポーツ界を盛り上げようとしてきたかを改めて知ることができ、自分自身も勉強できました。

 印象深かったのは、球団を北海道に“誕生”させたというエピソードです。いかにして現在のような、多くのファンに愛される球団にまで成長させたかという、先人たちの多くの努力に胸を打たれましたね。(作品中の)大社啓二元オーナーのお話にもあるんですが「我々は新しい球団なんだ。新しく北海道日本ハムが始まったのだ。北海道に改めて生まれたんだ」という言葉が全てを物語っていると思います。

 よく私たちが球場演出など、新しいことを考える際に、“ファイターズらしさってなんだろう”と話し合うことがあります。しかしそれも今までの蓄積の上に成り立っているものであり、ファンを含めこれまでに関わってきた全ての方、ひとりひとりが作ってきたものなんだと気付かされましたね。

トレイ・ヒルマン氏 (C)H.N.F.
トレイ・ヒルマン氏 (C)H.N.F.

――製作にあたり、苦労された点、それをどう乗り越えたかを教えてください。

 結構悩みました(笑)。インタビューで構成するという本作の性質上、そのストーリーの全てが予め決まっているわけではないので、それぞれの想いや時代の変遷、ターニングポイントをどう表現するかで編集をする際にかなりの時間を使いました。

 また話を聞いていくなかで、私自身知らなかったことや、新たに発見することが多く、もっと知りたいという思いでどんどんと撮影していく一方で、膨大な素材量になってしまい、何を一番観せるべきかとすごく悩みました。ですが、最終的にはインタビューを受けてくれた方々の「これだけは伝えたい」という熱量の高いものを残すようにました。

 もしまたこういった(映画製作の)機会があるのなら、また別の視点で作ってみたいですね。過去のスター選手はもちろんですけど、当時の裏方さんやファンの方、そういう方々からももっと取材をしたいという思いはあります。

ダルビッシュ有投手 (C)H.N.F.
ダルビッシュ有投手 (C)H.N.F.

過去から現在、未来をひとつのシナリオに

――本作の始まりと終わりの映像は、どちらも新球場をテーマにされていたのが印象的でした。そこにはどんな意図がありましたか?

 本作はただ歴史を追ったドキュメンタリーではなく、北海道日本ハムファイターズの経営理念である“Challenge with Dream”という言葉をもとに製作され、ファイターズはこれまでもこれからもチャレンジし続けるという想いを込めた映画なのでこのような形となりました。

 ファイターズの未来や夢を語る上で、私たちが今向かっている、2023年開業のボールパークを「新たなスタート地点として夢を追うんだ」というメッセージも含め、この映画では過去から現在、未来へとひとつのシナリオとして表現しています。

――この映画はどんな方に観ていただきたいですか。

 人それぞれファンになったタイミングや関わり始めたタイミングが異なるため、どこがメインターゲットかと言われると難しいのですが、スタートしたその時々で映画の見方や感じ方が違うと思っています。どんな方にも楽しんでいただきたいと思っていますので、できればファイターズに関わる全ての人に観てもらいたいです。

――この映画を通して伝えたいことはなんですか。

 ファイターズの全てです。プロ野球の試合において選手たちがどう躍動しているのかというのは、球場や映像などで見て感じていただけると思いますが、その内面と言いますか、球団に関わる人たちが、「これまでの歴史のなかで実際はどう思っていたか?」や「これからの未来をどう考えているか?」ということは、なかなか伝えられていなかったと思うんですね。そういう意味で、チャレンジをしている姿や、その想いなどを、この118分間を通して、できる限り多くのことを伝えられたらなと思っています。

栗山英樹監督 (C)H.N.F.
栗山英樹監督 (C)H.N.F.

公開は明日15日から

 北海道日本ハムファイターズが誕生してから15年の歴史を回顧する「北海道日本ハムファイターズ誕生15thプロジェクト ドキュメンタリー映画『FIGHTERS THE MOVIE ~Challenge with Dream~』」が2月15日(金)からの2週間、映画館で公開される。主な出演者、公開劇場は以下の通り。 

<主な出演者>
栗山英樹、金子誠、田中賢介、鶴岡慎也、宮西尚生、中田翔、稲葉篤紀、トレイ・ヒルマン、岩本勉、建山義紀、稲田直人、森本稀哲、ダルビッシュ有、大谷翔平

<公開劇場>
北海道
・札幌シネマフロンティア
(札幌市中央区北5条西2丁目5 JRタワー・ステラプレイスセンター7F)
・ユナイテッド・シネマ札幌
(札幌市中央区北1条東4丁目1-1 サッポロファクトリー一条館 内)
・ディノスシネマズ札幌劇場
(札幌市中央区南3条西1丁目8 ディノス札幌中央ビル7F)
・ディノスシネマズ旭川
(旭川市大雪通5丁目ディノス旭川3F)
・シネプレックス旭川
(旭川市永山12条3丁目 ウェスタンパワーズ 内)
・ソラシネマちとせ
(千歳市美々987番22国内線ターミナルビル)
・ディノスシネマズ苫小牧
(苫小牧市柳町3丁目1-20 イオンモール苫小牧2F)
・シネマ太陽帯広
(帯広市西3条南11丁目 帯広太陽ビル7F)
・イオンシネマ釧路
(釧路郡釧路町桂木1-2-2 イオン釧路店横)
・シネマ太陽函館
(函館市松風町2-8 大門ビル6F)

東北
・MOVIX仙台
(仙台市太白区長町7-20-15 ザ・モール仙台長町Part2内)

東京・関東
・新宿ピカデリー
(東京都新宿区新宿3-15-15)
・ムービル
(神奈川県横浜市西区南幸2-1-22 相鉄ムービル内)
・MOVIX柏の葉
(千葉県柏市若柴175 ららぽーと柏の葉内)
・MOVIXさいたま
(さいたま市大宮区吉敷町4-267-2 コクーンシティ コクーン1 2F)

東海
・ミッドランドスクエアシネマ
(名古屋市中村区名駅4-7-1 ミッドランドスクエア商業棟5F)

近畿
・大阪ステーションシティシネマ
(大阪市北区梅田3-1-3 ノースゲートビルディング11F)
・神戸国際松竹
(兵庫県神戸市中央区御幸通8-1-6 神戸国際会館11F)

九州・沖縄
・ユナイテッド・シネマ福岡ももち
(福岡県福岡市中央区地行浜2-2-1 MARK IS 福岡ももち 内)
・ミハマ7プレックス 
(沖縄県中頭郡北谷町美浜8-7)

『FIGHTERS THE MOVIE ~Challenge with Dream~』特設サイト

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