11月17日、プロ野球担当記者の投票により選出された2017年シーズンのベストナインが発表された。今季のパ・リーグベストナイン受賞選手は以下の通りである。

【パ・リーグ ベストナイン受賞者一覧】
・菊池雄星 投手(埼玉西武) 初受賞
26試合16勝6敗 187回2/3、217奪三振 防御率1.97

・甲斐拓也 捕手(福岡ソフトバンク) 初受賞
103試合207打数48安打5本塁打18打点 打率.232
・銀次 一塁手(楽天) 初受賞(三塁手で一度受賞)
143試合529打数155安打3本塁打60打点 打率.293
・浅村栄斗 二塁手(埼玉西武) 2年連続2度目(一塁手で1度受賞)
143試合574打数167安打19本塁打99打点 打率.291
・ウィーラー 三塁手(楽天) 初受賞
142試合542打数147安打31本塁打82打点 打率.271
・今宮健太 遊撃手(福岡ソフトバンク) 3年ぶり2度目
141試合526打数139安打14本塁打64打点 打率.264

・柳田悠岐 外野手(福岡ソフトバンク) 2年ぶり3度目
130試合448打数139安打31本塁打99打点 打率.310
・秋山翔吾 外野手(埼玉西武) 2年ぶり2度目
143試合575打数185安打25本塁打89打点 打率.322
・西川遥輝 外野手(北海道日本ハム) 2年連続2度目
138試合541打数160安打9本塁打44打点 打率.296

・デスパイネ選手 指名打者(福岡ソフトバンク) 初受賞
136試合478打数125安打35本塁打103打点 打率.262

指名打者を含めた全10部門のうち、半数の5選手が初受賞となった今年のベストナイン。その5選手の活躍ぶりを振り返る。

菊池投手は最優秀防御率、最多勝のタイトルを獲得し、埼玉西武のエースとして獅子奮迅の活躍を見せた。今季は26試合に先発し、そのうちの23試合でクオリティー・スタートを記録。年間を通して安定した投球を披露し、文句なしの受賞となった。

甲斐選手は昨季の13試合から一気に出場機会を増やし、今季は103試合に出場。盗塁阻止率はリーグ3位の.324を記録し、好リードなどでチームの躍進を支えた事も評価され、現在行われている『アジア プロ野球チャンピオンシップ2017』にオーバーエイジ枠として選出された。鷹の女房役は球界を代表する女房役へと成長を続けている。

銀次選手は2014年に三塁手として受賞した以来、一塁手としては初のベストナイン受賞となった。今季の銀次選手は主にクリーンアップを任され、2番・ペゲーロ選手、3番・ウィーラー選手、4番・アマダー選手らとともに強力なクリーンアップを形成。終盤まで首位争いを繰り広げたチームの原動力となった。何といっても、際立つのは持ち前の勝負強さ。今季の得点圏打率は.369で、これは福岡ソフトバンクの柳田選手に次いでリーグ2位の数字だ。来季以降もチームをけん引する活躍が求められる。

三塁手部門のウィーラー選手もベストナインは初受賞となった。序盤はなかなか調子が上がらずに苦しんだものの、今季は特に5月の活躍が目覚ましかった。23試合に出場し、打率.333、10本塁打、22打点と大暴れ。特に5月14日の福岡ソフトバンク戦から5月17日の北海道日本ハム戦にかけては3試合連続本塁打を放つなど、打棒が爆発した。その結果、打率は昨年よりも向上し、本塁打数や安打数も増加。31本塁打はリーグ3位タイの記録だ。陽気な性格のウィーラー選手が本塁打を打った際のチームメートとの全力ハイタッチは名物となっており、来季もどれだけ見られるかが楽しみだ。

指名打者部門のデスパイネ選手も初受賞だ。千葉ロッテから移籍した今季はすぐにチームに溶け込み、中軸として35本塁打、103打点という好成績で本塁打王、打点王の2冠に輝いた。また、来日4年目の今季はオールスターゲームに初選出されると、かつての本拠地・ZOZOマリンスタジアムで行われた第2戦では特大の一発を放ち、MVPを獲得した。大舞台にも強く、来季以降も柳田選手や内川選手らとともに日本シリーズ連覇へ向けた原動力となってくれるだろう。

以上が初受賞となった選手たちだが、なかには意外にも“初”だったのかと驚かされた選手も。それだけパ・リーグ内の同一ポジションのなかに多数のライバル達がひしめき合っており、レベルの高い競争が行われているからこそであろう。今季のベストナイン受賞選手達は来季どのような活躍を見せてくれるか。また、来年はどんな初受賞選手が現れるのか。今から楽しみに待ちたい。