王貞治だけが2000打点超、平成以降では金本が唯一の10傑入り
打点(MLBではRBI=Runs Batted In)は、打率、本塁打と並ぶ打撃三大タイトルの一つだが、MLBではあまり評価されていない。セイバーメトリクス的には打点は運の要素が大きく、実力を反映しているとはみなされていない。
しかし、昔から中軸打者とは「打点を稼ぐ打者」のことであり、打点はチームへの貢献度を示す重要な指標だった。
○NPB歴代打点10傑 ()は実働期間
1 王貞治 2170打点(1959-1980)
2 野村克也 1988打点(1954-1980)
3 門田博光 1678打点(1970-1992)
4 張本勲 1676打点(1959-1981)
5 落合博満 1564打点(1979-1998)
6 清原和博 1530打点(1986-2008)
7 長嶋茂雄 1522打点(1958-1974)
8 金本知憲 1521打点(1992-2012)
9 大杉勝男 1507打点(1965-1983)
10 山本浩二 1475打点(1969-1986)
打点は本塁打と相関性が強い。本塁打のランキングで上位に来ている昭和の強打者がならんでいる。他の多くの打撃指標と同様、平成デビューの選手は金本知憲だけがランクインしている。
NPBでは、打点は1000打点から500刻みで表彰されるが、2000打点は王貞治ただ一人。1500打点以上は9人、1000打点以上は45人いる。1000打点はスラッガーにとって、大きな目標になっている。
現役で1000打点以上は以下の2人。
阿部慎之助(巨)1258打点(2001-2018)
中村剛也(西)1043打点(2003-2018)
阪神福留、千葉ロッテ福浦、鷹内川、巨人中島が通算1000打点を視野に
今季、1000打点に手が届きそうな現役選手は4人いる。
福留孝介(神)998打点(1999-2018)あと2打点
福浦和也(ロ)935打点(1997-2018)あと65打点
内川聖一(ソ)916打点(2001-2018)あと84打点
中島宏之(巨)914打点(2002-2018)あと86打点
阪神の福留は開幕早々に大台に届きそうだ。MLBとの通算では1193打点となっている。今季限りでの引退を表明している千葉ロッテの福浦は厳しいか。福岡ソフトバンクの内川は2016年には106打点を挙げている。中軸打者としてフルシーズン活躍すれば、可能な数字ではあるだろう。今季巨人に移籍した中島は、レギュラーをとれるかどうかがポイントになる。
打点が多い選手をMLBでは「RBIイーター」という。NPBの現役でRBIイーターといえば、北海道日本ハムの中田翔と、今季から東北楽天に移籍した浅村栄斗だ。この2人は大阪桐蔭の先輩、後輩だが、ともに2回ずつ打点王をとっている。
そういえば現役2人の1000打点打者の一人、中村剛也も大阪桐蔭だ。中田は10シーズンで749打点、浅村は9シーズンで645打点。この2人も1000打点はクリアするだろう。
さらにNPB本塁打記録の60本塁打を打った東京ヤクルトのバレンティンも昨年、131打点でタイトルを取った。彼は8年で670打点。バレンティンが1000打点をクリアすれば、現横浜DeNA監督のアレックス・ラミレス(1272打点)、タフィ・ローズ(1269打点)に次ぎ、助っ人3人目となる。
今季、誰がRBIイーターとして活躍するだろうか。
(広尾晃 / Koh Hiroo)
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