ドラフト6位の森脇、第1クールは「60、70点」も「いつもどおりのバランスで投げられた」
宮崎・南郷スタジアムで行われている埼玉西武・春季キャンプは3日、第1クールが終了。初日から各投手が猛アピールする中、社会人4年を経て、今年ドラフト6位で入団した「オールドルーキー」森脇亮介投手も3日連続のブルペン入り。「最初からアピールを」の気持ちを秘めて臨んだプロ野球初キャンプで「自分としてはいい形で投げられている」と、順調な滑り出しとなったことを自ら感じていた。
合同自主トレとはまた違った練習メニュー。第1クールの3日間を終えた感想を「慣れないところもあって、疲れました」と正直に明かした森脇。「でも、結構。いや、かなり充実しています」と笑顔も見せた。
連日、辻監督が見守る中でのブルペン入り。とくに第1クール最終日となった3日は、森脇のすぐ後ろに指揮官がいる状態での投球となったが「ブルペン入りした時には『監督見てるわ』と思ったんですが、投げ始めると気にならなくなりました」と振り返った。自らのピッチングに集中できたと語るあたりは、オールドルーキーならではの落ち着きのなせる技なのだろう。
この第1クールは「フォームのバランス」に重点をおいて投球していたという森脇。自己採点としては「60、70点」ということだったが「いつも通りのバランスで投げられたんじゃないかな」と自らに及第点を与えた。
左足の振り上げがおとなしめのフォーム、左足を高くふり上げるフォーム
71球を投じたこの日、初めは左足の振り上げがおとなしめのフォームで投球していたが、途中から左足を高くふり上げるフォームに変更。その意図について森脇は「最初の足をあまり上げないフォームでは、自分の投球に制限をかけている状態で、ボールの強さを抑えて、自分の投球フォームを意識することに重点を置いていました。その後、試合時のように左足を高く上げての投球は、ボールの強さを意識して、いいボールを投げられるように」と説明した。
「軸足に体重をしっかり乗せるということもありますが、その足をそのまま下ろすのではなく、ゆっくり下ろして“溜め”を作ってから、左足を前に踏み出すことで(フォームの)バランスが取れる。その“溜め”を作らないで投げるとバランスが悪くなる場合があるので、バランスが悪いまま投球動作に行かないように」
投球のバランスをとるために、左足を高く振り上げるの投球フォームになったという森脇。「バランスが悪いまま投球すると、コントロールにも悪影響を与える」とも付け加えた。
プロ初キャンプで、自らのやるべきをことを見据え、周りに左右されることなくアピールを続けている26歳。ただ、一つだけ気がかりなことがある。それは自宅で帰りを待つ2人の小さな子供たちだ。
「会えないのは寂しいですね。でも、嫁さんが動画を送ってくれたり、TV電話をかけてくれたりと色々してくれています。まぁ、ちょっと寂しいですけど『その分、パパは頑張るぞ』です」
26歳からのプロ入りで初年度から勝負の年となる森脇が、チーム内競争から這い上がり、愛する子供たちに笑顔を届けられるのか。オールドルーキーの奮闘は始まったばかりだ。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)
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