懸命に首位・福岡ソフトバンクを追走。千葉ロッテが上位争いを面白くする

パ・リーグ インサイト

2016.7.6(水) 00:00

終盤でスイッチが入り、一気に試合をひっくり返した。千葉ロッテが埼玉西武に逆転勝ち。前夜のサヨナラ勝ちに続き、2試合連続で価値ある勝利を手に入れた。

火を付けたのは7回に3番手で登板した南投手だ。埼玉西武の中軸・秋山選手、中村選手、浅村選手をいずれも空振り三振に仕留めた。「(相手が)クリーンアップとか関係なく、自分の仕事をしようと思った。3人で終われて良かった」とお立ち台で笑顔を見せた。試合後、伊東監督も「ダラダラした試合の流れを変えてくれた」と絶賛した。

この力投が、打線に火を付けた。その直後の攻撃の7回2死2塁。加藤選手の右翼への適時打で同点とすると、この日スタメンを外れた細谷選手が代打で登場。「一気にひっくり返そうという気持ちでした」と決意を込めて振り抜いた打球は、勝ち越しとなる左越えの適時三塁打。打った瞬間、ベンチ方向に拳を突き上げてダイヤモンドを走り出した細谷選手。ヒーローインタビューでそのシーンについて聞かれると、思わず苦笑いだ。「(スタンドまで)行ったと思っちゃって、つい手を挙げちゃいました」。本人的には本塁打を確信した会心の当たり。フェンス直撃には終わったが、それでも値千金の一撃には変わりない。

南投手は今季31試合目での初勝利かつ、2013年以来3年ぶりの勝利を手にした。今季の千葉ロッテの強さの要因の一つ、中継ぎ陣の充実。伊東監督が「抑えもできるんじゃないか」と称えたように、チームの今後にとっても明るい材料が加わった。

これで試合のなかった2位、北海道日本ハムとゲーム差がなくなり、6ゲーム差ながら首位・福岡ソフトバンクをピタリと追走する。南選手が「みんながひとつになれていると思う」と語れば、「(この勝利で)チームがいい流れに乗っていける」と細谷選手。まだまだ福岡ソフトバンクとゲーム差は離れているが、選手たちはチーム状況に自信を示し、諦めの色はない。北海道日本ハムは11連勝中と勢いに乗り、千葉ロッテも大きく崩れることなくここまで来ている。福岡ソフトバンクの独走に待ったをかけるかのように、Aクラスの2チームが元気だ。

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