29日に監督・コーチ会議を行い、キャンプの組分けや練習メニューなどを決定
2月1日のキャンプインを3日後に控えた29日、ヤフオクドーム内では福岡ソフトバンクの監督・コーチ会議が行われた。工藤公康監督を始めとするコーチングスタッフらが一堂に会し、キャンプの組分けや練習メニュー、今季の方針など、5時間近くにわたる会議が行われた。
昨季、2年連続の日本一に輝いた福岡ソフトバンク。とはいえ、パ・リーグでは2位に終わり、クライマックスシリーズで埼玉西武に“下克上”を果たした上での日本一だった。“完全V”とは言えず、リーグで敗れた悔しさは残った。今季のスローガンを「奪Sh!」に決めた工藤監督。昨季、リーグ優勝を逃した悔しさが、そこには込められた。
リーグV奪還を狙う今季、指揮官は“チーム変革”の一手を打ち出した。その1つが「キャプテン制」の廃止だ。就任から一貫して内川聖一にキャプテンを任せてきた工藤監督。今季はそれを無くし「1人1人が自覚を持ってやってもらいたい。レギュラーの年齢も上がってきた。自分が引っ張っていく、支えていくと思ってもらうことが狙い」と、選手1人1人がこれまで以上に自覚を持つように促すことにした。
さらに春季キャンプではドラフト1位の甲斐野央投手、ドラフト2位の杉山一樹投手、同4位の板東湧梧投手、同7位の奥村政稔投手と4人のルーキーを主力の集うA組に抜擢した。複数のルーキーがA組に抜擢されるのは工藤政権では初のことで、指揮官は「即戦力として獲っていただいた選手なので、直に見たいというのもあるし、力もしっかり持っているというのを、ピッチングコーチを含めて判断した」と語った。
今季は走塁面の強化を図って得点力の向上を目指すという工藤監督。「守備走塁コーチに任せて、どこで練習メニューを入れていくかは話はしてある。強化するためにどうしていくか、メニューとして取り入れたいと考えている。実戦が近づけば近づくほど、盗塁、走塁は大事になってくるので、たとえ失敗してでもいってくれと話はさせていただいている」と語り、キャンプでも走塁の強化をメニューにしっかり組み込んでいく方針だ。
リーグ優勝の奪還、そして3年連続の日本一へ。宮崎での春季キャンプで、福岡ソフトバンクがチーム変革の第一歩を踏み出す。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
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