今年の大一番を締めくくるのに最もふさわしい劇的な幕切れだった。

3対3の同点で迎えた11回裏。2死1,2塁の好機で打席に立った7番・川島選手が日本一の栄光を手繰り寄せる殊勲打。ここまでの4打席でいずれも凡退を喫していた男が要所で試合を決める一打を放った。

3勝2敗で迎えた「SMBC 日本シリーズ 2017」の第6戦。2回に6番・松田選手の一発で先制という幸先の良いスタートを切るも、5回に3点を奪われて逆転を許す展開に。しかし、その後は救援陣の好投で立て直し、徐々に流れを引き寄せていった。

先発・東浜投手の後を受けた救援陣が小刻みな継投で無失点リレーを展開。6回以降は相手の得点を阻止し続けると、8回に内野ゴロで1点を返し、9回には4番・内川選手の一発が飛び出す。頼れる4番が土壇場で起死回生の一撃を放ち、試合は振り出しに。スコアは3対3となり、延長戦に突入する。

9回からマウンドに上がった守護神・サファテ投手が10回も無失点。さらには3イニングス目となった11回も0点に抑える、これぞ守護神という投球で完璧に封じ込める。すると、11回裏に、こちらも続投となったエスコバー投手が1死から突如制球を乱し、連続四球で好機を迎える。ここで先制弾を放った6番・松田選手は内野ゴロに倒れるも、7番・川島選手が右前に安打を放つ。前進守備を敷いていた右翼手が捕球し、素早く返球するも、二走の中村晃選手が生還。2年ぶりの日本一を劇的な幕切れで決めた。

3連勝と完璧なスタートを切り、ストレートでの日本シリーズ制覇が見えた展開から一転。そこから連敗を喫し、今日の試合でも1対3のビハインドと、一気に苦しい日本シリーズとなった。しかし、工藤監督は追い込まれてもナインの力を信じ続け、堂々とタクトを振るった。「選手を信じて采配を振っていた。強いホークスをみなさんのまえで見せられて何よりも幸せです」と、勝利監督インタビューで感謝の言葉を口にした工藤監督。

大舞台で見せた辛抱強さは今後に必ず生きるはず。若手主体のホークスは来季も期待に違わぬ強さを見せてくれることだろう。