4年連続のBクラスとなる4位で昨シーズンを終えたオリックス。巻き返しを図る2019年のキャンプは2月1日から、一・二軍ともに宮崎市の清武総合運動公園でスタートする。経験豊かな主力が次々と活躍の場を移し、中堅、若手にさらなる自覚が求められる中、西村新監督の方針も見えてくるだろうキャンプの見どころを挙げていく。
投手陣の柱を失ったオフ ローテ候補はいずれも若い
今オフ、勝ち頭の西勇輝投手が阪神へFA移籍し、長年エースとしてチームを支えた金子弌大投手が北海道日本ハムに移り、チームの先発ローテーションには大きな穴が開いた。昨シーズン、来日1年目で9勝を挙げたアルバース投手の残留、ルーキーながら前半戦だけで6勝した田嶋大樹投手の復帰など、楽しみな要素がないわけではないが、ローテを守る先発投手の出現が切に望まれる。
そんな中、大きな注目を集めるのは、昨年54試合に登板してブルペンを支えた山本由伸投手と、同じく今年高卒3年目を迎える榊原翼投手だ。山本投手は今季から先発再転向を目指すが、ルーキーイヤーの2017年にはプロ初勝利も挙げている。榊原投手は初勝利こそまだだが、昨年は3度の先発登板で17回を投げ、自責点わずか2点だった。一軍メンバーに選ばれている新成人2人の調整具合も、見逃せないポイントとなるだろう。
また、西投手の人的補償としてチームにやってきた竹安大知投手にも期待がかかる。一軍登板はプロ3年間で通算3試合にとどまっているが、昨季ファームでは14試合に登板して防御率1.30の成績を残した。新「21」番が見せる投球に、キャンプ序盤から注目が集まる。
昨年のドラフトでは、3人の社会人投手を指名したオリックス。ドラフト3位・荒西祐大投手と、同4位・富山凌雅投手が一軍メンバーに選ばれている。さらに今回のキャンプでは、東京ヤクルトを退団した成瀬善久投手の入団テストも予定。11年で90勝を挙げた輝かしい千葉ロッテ時代の指揮官・西村新監督の前で、再起を目指す姿を見せる。
ベテランを欠いた打線も新戦力の台頭と若手の覚醒が待たれる
一方の野手陣では、小谷野栄一選手が引退して東北楽天のコーチに就任し、中島宏之選手も巨人に移籍と、実績のあるベテランが揃って退団した。シーズンは吉田正尚選手が1年を通して奮闘したが、チーム打率と本塁打数はともにリーグ5位。得点力アップに向けて、こちらも新戦力の台頭が期待されるところだ。
まず注目は、昨年のキャンプからオープン戦にかけて結果を残し、開幕一軍に名を連ねた宗佑磨選手だ。シーズン序盤は振るわなかったが、9月に再昇格して以降「1番・中堅」に定着した。新シーズンを控えたこのキャンプでは、スタメン確保へ向けてさらなるアピールを続けていきたいところ。春先の大暴れが飛躍のきっかけとなっただけに、今年もこの時期の宗選手のプレーには期待大だ。
外国人選手たちの活躍も、得点力アップには欠かせない。昨年、来日2年目だったロメロ選手は打率(2017年:.274→.237)を、同じく2年目だったマレーロ選手は本塁打数(2017年:20本→2018年:11本)を大きく落とし、苦しいシーズンを送った。両助っ人にとって、ポジションの被る新外国人・メネセス選手の加入は刺激になるはず。外国人枠をめぐるアピール合戦も、し烈を極めそうだ。
内野陣もポジション争いの激化が予想される。昨季は安達了一選手、大城滉二選手に加え、ルーキーだった福田周平選手が100試合以上に出場したが、打撃でインパクトのある成績を残した選手はいなかった。故障でシーズン途中の離脱を強いられた西野真弘選手、さらにはフレッシュなルーキーたちが、二軍キャンプから猛アピールする姿が見られそうだ。
一軍、二軍のメイン球場が隣接していることもあり、近年は実戦形式の試合を経てメンバーの入れ替えも行われるオリックスキャンプ。新たな指揮官の下で若返ったチームがどのように形となっていくか。今回のキャンプは、その過程をつぶさに追うことができる機会となるに違いない。
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