「ボールが強くなっている」と、複数の先輩からも太鼓判
千葉ロッテの山本大貴投手はルーキーイヤーの昨季、“猫だまし投法”と呼ばれた独特のフォームで話題を呼んだ。しかし、一軍での登板はわずか1試合。即戦力の期待には応えきれなかった。勝負の2年目に向けて、このオフは社会人時代にプレーした三菱自動車岡崎で自主トレを敢行。山本投手は「午前中はピッチングやボールを使った練習をして、午後から海辺の砂浜でラントレーニングを行いました」と、古巣での練習を振り返っている。
ロッテ浦和球場に戻ってきてからも山本投手の精力的な取り組みは続き、22日には変化球を交えながら60球以上を投げ込んだ。「(ブルペンには)12月からずっと入っているので、ブルペンを休んだ感覚はありません。1年通して投げ込みという感じだったので、いい感触ではあるかなと思います」と、投球を重ねることによって掴んできたものがある様子だ。
「最初はバランスが悪かったのですが、徐々に体も縦に使えるようになってきて、『ボールが強くなっている』と色々な先輩に言ってもらいました。自信にはなったかなと思います」と、投げ込みによって得た手応えについて語った山本投手。「とにかく一軍での登板数を増やしたいです。その中で何勝できるかは分からないですけど、1個ずつ勝っていけばそれが自分のためにもチームのためにもなりますので」と、新シーズンに対する意気込みも十分だ。
左投手が手薄なチーム事情ながら、「そう思わずに」台頭を期す
千葉ロッテの左投手は手薄な状況が続いており、昨季サウスポーが挙げた白星はチーム全体でわずかに4つ。春季キャンプやオープン戦などでのアピール次第では、山本投手にも一軍で投げるチャンスが十二分にあるはずだ。
「去年もそう言われながら、難しい経験というか、苦い思いをしてきました。(左投手が)少ないと言われたとしても、そう思わずに、結果を残せるように精一杯頑張っていきたいと思います」
昨季の終盤には、小野二軍投手コーチが一軍でも登板を重ねていた岩下投手や種市投手とともに「山本もちょっと形になってきた」と、この1年間で成長した投手のひとりに挙げていた注目株。まずは間近に迫った春季キャンプで、確かな手応えを掴んだオフのトレーニングの成果を出したいところだ。
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