いよいよ10月26日に迫った運命のドラフト会議。当日を待ちきれないファンの方も多いのではないだろうか。今回は、パ・リーグ過去10年のドラフトを振り返る一環として福岡ソフトバンクのドラフトを振り返っていきたい。現在、主力として活躍している選手が、何年に福岡ソフトバンクの一員になったのだろうか。
【2007年】
大学生・社会人
1位:大場翔太(投手・東洋大)
3位:久米勇紀(投手・明大)
高校生
1位:岩嵜翔(投手・市船橋高)
3位:中村晃(内野手・帝京高)
4位:藤井翼(内野手・桜井高)
岩嵜投手は今季、「勝利の方程式」の一角として球団史上最多の72試合に登板する大車輪の活躍を見せ、リーグ制覇に大きく貢献。リーグ最多のホールドもマークした。中村晃選手は2014年に最多安打に輝く。鉄壁の外野守備で幾度となくチームのピンチを救う。
【2008年】
1位:巽真悟(投手・近大)
2位:立岡宗一郎(外野手・鎮西高)
3位:近田怜王(投手・報徳学園高)
4位:有馬翔(投手・日南学園高)
5位:攝津正(投手・JR東日本東北)
6位:金無英(投手・福岡レッドワーブラーズ)
7位:鈴木駿也(投手・山形中央高)
育成1巡目:内田好治(投手・大阪産業大)
育成2巡目:二保旭(投手・九州国際大付高)
育成3巡目:柳川洋平(投手・福井ミラクルエレファンツ)
育成4巡目:猪本健太郎(捕手・鎮西高)
育成5巡目:堂上隼人(捕手・香川オリーブガイナーズ)
攝津投手は新人王、最優秀中継ぎ、最高勝率、最多勝、沢村賞を獲得。中継ぎとしても先発としても圧倒的な成績を残し、一時代を築く。今季はついに未勝利に終わってしまった。
【2009年】
1位:今宮健太(内野手・明豊高)
2位:川原弘之(投手・福岡大大濠高)
3位:下沖勇樹(投手・光星学院高)
4位:中原恵司(外野手・亜大)
5位:豊福晃司(内野手・鳥栖高)
今宮選手は球界屈指の華麗な守備を誇る不動の正遊撃手。今季はパンチ力が増し、自己最多の14本塁打をマークした。
【2010年】
1位:山下斐紹(捕手・習志野高)
2位:柳田悠岐(外野手・広島経済大)
3位:南貴樹(投手・浦和学院高)
4位:星野大地(投手・岡山東商高)
5位:坂田将人(投手・祐誠高)
育成1巡目:安田圭佑(外野手・高知ファイティングドッグス)
育成2巡目:中原大樹(内野手・鹿児島城西高)
育成3巡目:伊藤大智郎(投手・誉高)
育成4巡目:千賀滉大(投手・蒲郡高)
育成5巡目:牧原大成(内野手・城北高)
育成6巡目:甲斐拓也(捕手・楊志館高)
柳田選手は今や日本球界を代表するスラッガー。2015年にはトリプルスリーを達成した。育成指名の千賀投手は2016年から先発ローテーションの一角を担う。第4回「ワールド・ベースボール・クラシック」では日本人選手唯一のベストナインに選出。今季は最高勝率のタイトルに輝いた。同じく育成指名の甲斐選手は、球界最速の二塁送球タイムを誇る強肩を武器に、正捕手にまで成長。千賀投手とともに史上初の育成出身バッテリーを組む。
【2011年】
1位:武田翔太(投手・宮崎日大高)
2位:吉本祥二(投手・足立学園高)
3位:塚田正義(内野手・白鴎大)
4位:白根尚貴(内野手・開星高)
5位:嘉弥真新也(投手・JX-ENEOS)
育成1巡目:釜元豪(外野手・西陵高)
育成2巡目:亀澤恭平(内野手・香川オリーブガイナーズ)
育成3巡目:三浦翔太(投手・岩手大)
育成4巡目:清水貴之(投手・群馬ダイヤモンドペガサス)
育成5巡目:新崎慎弥(内野手・日本文理大)
育成6巡目:笹沼明広(捕手・オール足利クラブ)
育成7巡目:飯田一弥(捕手・高知ファイティングドッグス)
武田投手は2015年から2年連続で2桁勝利を挙げる。今季は6勝ながら132球を投げて完封勝利も決めた。嘉弥真投手はサイドスローへ転向し、自己最高の58試合に登板。
【2012年】
1位:東浜巨(投手・亜大)
2位:伊藤祐介(投手・東北学院大)
3位:高田知季(内野手・亜大)
4位:真砂勇介(外野手・西城陽高)
5位:笠原大芽(投手・福岡工大城東高)
6位:山中浩史(投手・Honda熊本)
育成1巡目:八木健史(捕手・群馬ダイヤモンドペガサス)
育成2巡目:大滝勇佑(外野手・地球環境高)
育成3巡目:飯田優也(投手・東京農大北海道オホーツク)
育成4巡目:宮崎駿(内野手・三重中京大)
東浜投手は今季、16勝で最多勝のタイトルを獲得。事実上のエースとして故障による離脱者が続出するチームを救った。髙田選手は東浜選手と亜細亜大学の同級生。今宮選手が戦線を離れた時期は手堅く代役を務め上げた。
【2013年】
1位:加治屋蓮(投手・JR九州)
2位:森唯斗(投手・三菱自動車倉敷オーシャンズ)
3位:岡本健(投手・新日鉄住金かずさマジック)
4位:上林誠知(外野手・仙台育英高)
育成1巡目:石川柊太(投手・創価大)
育成2巡目:東方伸友(投手・浜田商高)
育成3巡目:曽根海成(内野手・京都国際高)
育成4巡目:張本優大(捕手・佛教大)
森投手は、ルーキーイヤーから今季まで4年連続で55試合以上に登板するタフネス右腕。上林選手は134試合に出場、13本塁打を放つパンチ力を見せて大ブレイクを果たす。強肩から放たれるレーザービームも大きな武器だ。育成指名の石川投手は一軍初登板・初先発を含む34試合に登板し、8勝をマークした。
【2014年】
1位:松本裕樹(投手・盛岡大附属高)
2位:栗原陵矢(捕手・春江工高)
3位:古澤勝吾(内野手・九州国際大付属高)
4位:笠谷俊介(投手・大分商高)
5位:島袋洋奨(投手・中央大)
育成1巡目:幸山一大(外野手・富山第一高)
育成2巡目:齋藤誠哉(投手・磐田東高)
育成3巡目:山下亜文(投手・小松大谷高)
育成4巡目:堀内汰門(捕手・山村国際高)
育成5巡目:柿木映二(投手・柳川高)
育成6巡目:金子将太(外野手・大間々高)
育成7巡目:河野大樹(内野手・NOMOベースボールクラブ)
育成8巡目:中村恵吾(投手・富山サンダーバーズ)
松本裕投手は今季初先発、プロ初勝利を挙げた。
【2015年】
1位:高橋純平(投手・県岐阜商高)
2位:小澤怜史(投手・日大三島高)
3位:谷川原健太 (捕手・豊橋中央高)
4位:茶谷健太(内野手・帝京三高)
5位:黒瀬健太(内野手・初芝橋本高)
6位:川瀬晃(内野手・大分商高)
育成1巡目:野澤佑斗(投手・つくば秀英高)
育成2巡目:児玉龍也(投手・神奈川大)
育成3巡目:樋越優一(捕手・東京農大北海道オホーツク)
育成4巡目:中村晨(投手・ルーテル学院高)
育成5巡目:渡辺健史(投手・飯塚高)
【2016年】
1位:田中正義(投手・創価大)
2位:古谷優人(投手・江陵高)
3位:九鬼隆平(捕手・秀岳館高)
4位:三森大貴(内野手・青森山田高)
育成1巡目:大本将吾(外野手・帝京五高)
育成2巡目:長谷川宙輝(投手・聖徳学園高)
育成3巡目:田城飛翔(外野手・八戸学院光星高)
育成4巡目:森山孔介(内野手・藤沢翔陵高)
育成5巡目:清水陸哉(外野手・京都国際高)
育成6巡目:松本龍憲(内野手・崇徳高)
以上、福岡ソフトバンクの過去10年のドラフトを振り返った。他球団に比べて、明らかに育成選手の指名が多い。育成出身選手史上初の2年連続2桁勝利を達成した千賀投手や、球界最速の二塁送球スピードを誇る甲斐選手など、いわゆる「育成の星」を発掘し、才能を開花させる手腕はさすが。今宮選手や武田投手、東浜投手など、1位指名の選手が期待通り主力を担っているのも、福岡ソフトバンクの環境があったからこそ。2017年のドラフトではどのような原石を見出すのか、その視点でも楽しませてほしい。
記事提供: