好成績を続けてこそエース 過去5年で最も安定して勝っている投手は…【パ編】

Full-Count 広尾晃

2019.1.14(月) 07:40

東北楽天・則本昂大※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
東北楽天・則本昂大※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

パ・リーグで唯一、過去5年通算60勝を挙げた東北楽天・則本

 プロ野球の投手の中には、短期間だけ大活躍してあとは鳴かず飛ばずという例も散見される。2年目以降、相手打線に研究されて勝てなくなったり、故障やけがに泣く例も少なくない。何年間も続けて好成績を挙げてこそ「エース」の称号を得ることができる。過去5年間の勝利数のトータルを出してみた。

○パ・リーグ 2014~2018年、通算勝利数20傑

1則本昂大(楽)60勝(50敗、958回1/3) 防3.01
2菊池雄星(西)56勝(38敗、767回) 防2.76
3石川歩(ロ)48勝(44敗、731回2/3) 防3.42
4西勇輝(オ)47勝(47敗、764回) 防3.37
5岸孝之(楽・西)46勝(31敗、737回1/3) 防2.69
6金子千尋(オ)46勝(35敗、730回1/3) 防3.18
7涌井秀章(ロ)45勝(48敗、850回2/3) 防3.63
8千賀滉大(ソ)41勝(16敗、498回) 防2.71
9武田翔太(ソ)40勝(30敗、586回2/3) 防3.34
10大谷翔平(日)39勝(15敗、481回1/3) 防2.30
10バンデンハーク(ソ)39勝(17敗、466回) 防3.52
10ディクソン(オ)39勝(45敗、691回) 防3.44
10中田賢一(ソ)39勝(26敗、568回1/3) 防4.01
14有原航平(日)37勝(33敗、539回) 防4.19
15東浜巨(ソ)35勝(20敗、461回1/3) 防3.12
16スタンリッジ(ロ)33勝(29敗、555回1/3) 防3.63
16野上亮磨(西・巨)33勝(40敗、505回2/3) 防4.13
18十亀剣(西)32勝(33敗、523回) 防4.11
19多和田真三郎(西)28勝(15敗、368回) 防3.86
19上沢直之(日)28勝(29敗、467回2/3) 防3.39
19辛島航(楽)28勝(44敗、523回2/3) 防4.06

オリックスは西、金子で5年計93勝、2人が流出

 10勝平均で5年間投げれば、50勝になる。しかし50勝をクリアした投手は東北楽天の則本と埼玉西武(今季からマリナーズ)の菊池の2人しかいない。かつては1シーズンで42勝も挙げる投手がいたが、分業制が定着した現在は、勝利を積み上げるのが非常に難しくなっているのだ。

 則本は2013年のデビューからずっと規定投球回数をクリア、そして5年連続奪三振王。過去5年の通算奪三振数は1055と、両リーグで唯一1000個を超える。投球回数も年平均200回に近い965回1/3。これも両リーグ最多。故障知らずの大エースだと言えよう。

 菊池は5年間の防御率が3を切った。特にここ3年は質の高い投球をしていたと言える。3位の千葉ロッテ、石川は失点こそするが試合を作ることに長けている。オリックスは、西、金子と過去5年であわせて93勝している両エースが抜ける。深刻な事態だ。

 福岡ソフトバンクは傑出した投手はいないが、35勝以上が千賀、武田、バンデンハーク、中田、東浜と5人いる。この層の厚さが強みだろう。埼玉西武の野上は2018年、巨人に移籍して4勝を加えている。

 大谷翔平は一昨年までの4年間で39勝。防御率もこのランクの選手では1位の2.30、二刀流だが投手としても傑出していた。こうしてみると、長期にわたってマウンドを託すことができる「本当のエース」は、非常に希少だということがわかる。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

記事提供:Full-Count

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