楽天のドラフト指名選手一挙振り返り

パ・リーグ インサイト

2017.10.24(火) 16:00

いよいよ10月26日に迫った運命のドラフト会議。当日を待ちきれないファンの方も多いのではないだろうか。今回は、パ・リーグ過去10年のドラフトを振り返る一環として楽天のドラフトを振り返っていきたい。現在、主力として活躍している選手が、何年に楽天の一員になったのだろうか。

【2007年】
大学生・社会人
1位:長谷部康平(投手・愛工大)
3位:伊志嶺忠(捕手・東京情報大)
4位:聖澤諒(外野手・國學院大)
高校生
1位:寺田龍平(投手・札幌南高)
3位:石田隆司(投手・東海大仰星高)
4位:菊池保則(投手・常磐大高)
育成1巡目:内村賢介(内野手・石川ミリオンスターズ)

聖澤選手は2012年の盗塁王。今季は111試合に出場、外野のスーパーサブとしてチームに貢献した。

【2008年】
1位:藤原紘通(投手・NTT西日本)
2位:中川大志(投手・桜丘高)
3位:井坂亮平(投手・住友金属鹿島)
4位:井上雄介(投手・青学大)
5位:楠城祐介(外野手・パナソニック)
6位:辛島航(投手・飯塚高)
育成1巡目:森田丈武(内野手・香川オリーブガイナーズ)

辛島投手は先発ローテーションの一角を務める左腕。今季は8勝8敗と貯金を作ることはできなかった。来季こそ悲願の2桁勝利を目指す。

【2009年】
1位:戸村健次(投手・立大)
2位:西田哲朗(内野手・関大一高)
3位:小関翔太(捕手・東筑紫学園高)
4位:高堀和也(投手・三菱自動車岡崎)
5位:土屋朋弘(投手・シティライト岡山)
育成1巡目:松井宏次(内野手・長崎セインツ)

戸村投手は今季、予告先発投手の故障のため2度代役を務める。史上最多となる通算3度の”代役登板”を経験した投手として話題になった。

【2010年】
1位:塩見貴洋(投手・八戸大)
2位:美馬学(投手・東京ガス)
3位:阿部俊人(内野手・東北福祉大)
4位:榎本葵(外野手・九州国際大付高)
5位:勧野甲輝(内野手・PL学園高)
育成1巡目:加藤貴大(投手・富山サンダーバーズ)
育成2巡目:木村謙吾(投手・仙台育英高)
育成3巡目:川口隼人(内野手・滋賀高島ベースボールクラブ)

塩見投手は今季3勝をマーク。クライマックスシリーズファイナルステージ初戦の先発も任された。美馬投手は2013年日本シリーズMVP。今季は自身初の2桁勝利となる11勝を挙げる。

【2011年】
1位:武藤好貴(投手・JR北海道)
2位:釜田佳直(投手・金沢高)
3位:三好匠(投手・九州国際大付高)
4位:岡島豪郎(捕手・白鴎大)
5位:北川倫太郎(外野手・明徳義塾高)
6位:島内宏明(外野手・明大)
育成1巡目:神保貴宏(外野手・トランシス)

三好選手は今季、故障離脱した茂木選手の代役として遊撃を守る。骨折で離脱するまで56試合に出場。岡島選手は日本一に輝いた2013年から外野手に転向し、両翼のレギュラーを務めている。島内選手は自身初となる全試合出場を果たし、自己最多の14本塁打を放った。

【2012年】
1位:森雄大(投手・東福岡高)
2位:則本昂大(投手・三重中京大)
3位:大塚尚仁(投手・九州学院高)
4位:下妻貴寛(捕手・酒田南高)
5位:島井寛仁(外野手・熊本ゴールデンラークス)
6位:柿沢貴裕(投手・神村学園高)
育成1巡目:宮川将(投手・大阪体育大)

則本投手はチームの絶対的エースで、球界を代表する豪腕。今季はリーグ2位となる15勝に加え、世界記録タイとなる8試合連続2桁奪三振を記録。圧巻の内容で、4年連続となる200奪三振以上をマークし、同時に最多奪三振のタイトルに輝いた。

【2013年】
1位:松井裕樹(投手・桐光学園高)
2位:内田靖人(捕手・常総学院高)
3位:濱矢廣大(投手・ホンダ鈴鹿)
4位:古川侑利(投手・有田工高)
5位:西宮悠介(投手・横浜商大)
6位:横山貴明(投手・早大)
7位:相原和友(投手・七十七銀行)
8位:相沢晋(投手・日本製紙石巻)
9位:今野龍太(投手・岩出山高)

松井裕投手はチームが誇る絶対的守護神。今季はシーズン最終盤まで防御率0点台を維持した。故障で戦線を離脱したが、3年連続の50試合登板と30セーブを達成。

【2014年】
1位:安樂智大(投手・済美高)
2位:小野郁(投手・西日本短大付高)
3位:福田将儀(外野手・中央大)
4位:ルシアノ・フェルナンド(外野手・白鴎大)
5位:入野貴大(投手・徳島インディゴソックス)
6位:加藤正志(投手・JR東日本東北)
7位:伊東亮大(内野手・日本製紙石巻)
育成1巡目:八百板卓丸(外野手・聖光学院高)
育成2巡目:大坂谷啓生(内野手・青森中央学院大)

安樂投手は、今季9試合に先発して1勝となかなか白星は付いてこなかったが、8月17日の埼玉西武戦ではエース・菊池投手と白熱の投手戦を繰り広げる。ポテンシャルはあるだけに、いずれは先発ローテーションの柱になってほしい。

【2015年】
1位:オコエ瑠偉(外野手・関東第一高)
2位:吉持亮汰(内野手・大阪商大)
3位:茂木栄五郎(内野手・早大)
4位:堀内謙伍(捕手・静岡高)
5位:石橋良太(投手・Honda)
6位:足立祐一(捕手・パナソニック)
7位:村林一輝(内野手・大塚高)
育成1巡目:出口匠(内野手・津田学園高)
育成2巡目:山田大樹(内野手・菰野高)

オコエ選手は高卒2年目にして、今季から早くもスタメン出場の機会を増やす。茂木選手は大卒2年目ながら不動の正遊撃手・リードオフマン。生え抜き野手としては史上最多の17本塁打を放ち、攻守においてチームに欠かせない存在となっている。

【2016年】
1位:藤平尚真(投手・横浜高)
2位:池田隆英(投手・創価大)
3位:田中和基(外野手・立大)
4位:菅原秀(投手・大体大)
5位:森原康平(投手・新日鉄住金広畑)
6位:鶴田圭祐(投手・帝京大準硬式)
7位:野元浩輝(投手・佐世保工高)
8位:石原彪(捕手・京都翔英高)
9位:高梨雄平(投手・JX-ENEOS)
10位:西口直人(投手・甲賀健康医療専門学校)
育成1巡目:千葉耕太(投手・花巻東高)
育成2巡目:南要輔(内野手・明星大)
育成3巡目:向谷拓巳(内野手・兵庫ブルーサンダース)
育成4巡目:木村敏靖(投手・履正社医療スポーツ専門学校)

藤平投手は、今季の高卒新人としては最速の一軍先発登板を果たすと、8試合の先発で3勝4敗、防御率2.28という好成績を残す。チームの大型連敗も二度止めた。森原投手は開幕から10試合連続無失点を記録し、シーズン序盤の「勝利の方程式」の一角としてフル回転。左のサイドスローである高梨投手は、46試合に登板して14ホールド、防御率1.03という快投で、幾度となくチームのピンチを救った。

以上、楽天の過去10年のドラフトを振り返った。他の球団と比べると、球団創設からまだ間もないだけに、ここに名のある選手がチームのカラーを作っている最中のようなものだ。年を経るごとに、指名選手の数が目に見えて増えているのは特徴。2016年のドラフト組は特に投手が奮闘しているが、生え抜き野手でタイトルホルダーとなった選手は聖澤選手のみで、10本塁打以上をマークしたのも茂木選手と島内選手のみと、課題は依然明確である。2017年のドラフトからはどのような育成意図が窺えるか、楽しみにしたい。

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