10月18日から幕を開けた「2017 ローソンチケット クライマックスシリーズ パ」ファイナルステージ(以下クライマックスシリーズファイナルステージ)。2勝2敗の五分で迎えた第4戦は、中村晃選手の2試合連続の決勝弾で福岡ソフトバンクが勝利し、日本シリーズ進出に王手をかけた。
ここでは22日の予告先発や両チームの対戦成績などをもとに、福岡ソフトバンクと楽天が激突するファイナルステージ5戦目の試合展開を占う。
【過去5年の公式戦対戦成績】
2013年福岡ソフトバンク:12勝 楽天:12勝
2014年福岡ソフトバンク:12勝 楽天:12勝
2015年福岡ソフトバンク:16勝 楽天:8勝1分
2016年福岡ソフトバンク:16勝 楽天:8勝1分
2017年福岡ソフトバンク:13勝 楽天:12勝
2015年からの2年間は福岡ソフトバンクが8つの勝ち越しを果たすも、その他の年は五分。今季は福岡ソフトバンクが1つ勝ち越しているが、楽天以外のパ・リーグの4球団は全て、福岡ソフトバンクに7つ以上負け越している。楽天は、史上最速でパ・リーグを制した福岡ソフトバンクと唯一互角に渡り合ったチームだと言える。
【今季のレギュラーシーズンの対戦成績詳細】
・福岡ソフトバンク
25試合13勝12敗 80得点 91失点 打率.232 防御率3.35
・ヤフオクドーム楽天戦
13試合6勝7敗 打率.202 防御率3.67
・楽天
25試合12勝13敗 91得点 80失点 打率.221 防御率2.98
・ヤフオクドーム福岡ソフトバンク戦
13試合7勝6敗 打率.229 防御率1.95
ホームで52勝20敗と圧倒的な強さを誇った福岡ソフトバンクだが、ヤフオクドームでは楽天が勝ち越し。楽天投手陣の防御率1.95は恐るべき数字である。しかしそれだけの成績を残しながら、勝ち越しはわずか1つ。シーズンの首位攻防戦で楽天は、福岡ソフトバンクとの投手戦にことごとく敗れている。楽天野手陣の奮起と福岡ソフトバンク投手陣の調子の良し悪しが、ファイナルステージの勝敗を左右するだろう。
【10月22日の予告先発 今季のレギュラーシーズンの対戦成績】
・福岡ソフトバンク:武田投手
対楽天 2試合1勝1敗 10回2/3、9失点(自責点5) 防御率4.22
・楽天:美馬投手
対福岡ソフトバンク 4試合2勝2敗 26回2/3、14失点(自責点13) 防御率4.39
両投手とも、相手チームとの相性は良いとは言えないものの、苦手にしているというわけでもない。武田投手はまだ若いが、2014年と2015年の日本シリーズでそれぞれ快投を披露しており、大舞台における勝負強さが光る。対する美馬投手は、ヤフオクドームの成績が2試合2勝0敗、防御率1.13。2013年の日本シリーズMVPに輝き、ファーストステージでもチームを勝利に導いた右腕の投球には、大きな期待が持てそうだ。
【対武田投手のキーマン】
・茂木選手:3打数2安打 打率.667
・藤田選手:5打数3安打1本塁打 打率.600
武田投手と相性が良いのは上記の2選手。2選手とも、第4戦では無安打に終わった。第5戦ではその悔しさをぶつけてほしいものだ。特に茂木選手は、楽天の日本人選手の中では数少ない「一発」のある選手。中継ぎ陣の疲労がピークに達している中で迎える第5戦だけに、先発の美馬投手を後押しし、ブルペンを救うため、早い段階で大きなリードを奪いたい。
【対美馬投手のキーマン】
・今宮選手:13打数6安打1本塁打 打率.462
・中村晃選手:11打数4安打 打率.364
美馬投手と相性が良いのは今宮選手と中村晃選手。中村晃選手は長距離砲ではないが、このファイナルステージでは2試合連続で決勝弾を放つなど絶好調。今宮選手もここぞという場面でパンチ力を発揮できる。リードした状態で鉄壁の中継ぎ陣につなげられれば、ファイナルステージ突破は間近。ここ2試合の良い流れに乗って、勝負を決めてしまいたい。
クライマックスシリーズファイナルステージ第4戦は、中村晃選手の2試合連続の決勝弾で福岡ソフトバンクに軍配。日本シリーズ進出に向けてあと1勝となった。しかしいずれも僅差のゲーム。連日のように、厳しい戦いが繰り広げられている。負けられない楽天も、ここで簡単に終わるはずもない。毎試合、ゲームの流れを左右する本塁打が飛び交うファイナルステージ。22日の第5戦からも目が離せない。
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