ヤフオクドームの大改修で収容4万人超え、自社ビルを建設…
2年連続日本一に輝いた福岡ソフトバンクにとって“勝負の年”を迎える。昨季2位に終わったペナントの奪還、そして3年連続の日本一を狙うチームはもちろん、球団フロントにとっても、重要な1年となる。7日に球団の仕事始めを迎え、後藤芳光社長は2019年を「ホークス史上最大の勝負になる」と断言した。
球界のトップを走っていると言っても過言ではない福岡ソフトバンク。チームの安定した強さはもとより、売上高が年間300億円に迫る球団経営も他球団を凌駕している。その福岡ソフトバンクは2019年、さらに進化を遂げ、大きな変貌を遂げようとしている。
現在、本拠地ヤフオクドームを大規模改修中。現在のスタンド最上段から外野スタンドを拡張し、新シートを導入することで今季の3万8530人の定員から、観客収容人員4万人以上への増加を実現させる。さらに、センターのビジョンを幅5メートル、高さ5メートルずつ拡大。両サイドのビジョンとシームレスで一体化させ、世界最大の表示面積(3面合計で1535.5平方メートル)にする。
ドーム内のコンコースも黒と白を基調したデザインに一新。外野席にはファンクラブ会員に向けた専用ラウンジや、相手球団のファンも交流できるビジターラウンジなどを設置する。九州移転30周年の節目の年として様々な取り組みを展開。さらにヤフオクドームの隣接地には自社ビル「エンターテインメントビル(仮称)」を建設予定。ここには飲食店やエンターテインメント施設も入り、2020年春以降の順次開業を目指すとしている。
「ボールパークとして365日、お客様が来ていただける賑わいの場にする」
「これまでにも増してスタジアムでのサービス、お客様への提供するコンテンツ、こういったものの充実を図っていきたいと考えております。一言で申し上げると、この地をボールパークとして365日、お客様が来ていただける賑わいの場にすることが、今年僕らがやるべきテーマだと思っています」と後藤社長はいう。まさに、プロ野球球団の枠を飛び越えた「エンターテインメント企業」へと歩を進めようとしている。
後藤社長も「総投資額で100億を超えていく大きな投資になります」という総事業費百数十億円のビッグプロジェクト。なぜ、そこまでやるのか。同社長は言う。「ブランド価値を作っていくのは、お客様にどれだけ支持されているかということ。それを定量化したものがブランドだと思うんです。ブランド価値を高めるというのは、それだけファンの皆さんに支援される、そういうチームでなければいけない。強くなければいけないし、スタジアムに何度も運んでいただきたいと思っていただけるような、そういうビジネスもしないといけない」。
常に強く、そしてファンに愛され、ファンに常に新鮮な魅力を与える球団、企業であるべきだという思いが、福岡ソフトバンクにはある。100億円を超える大型投資の先に、新たなプロ野球球団としての形を生み出そうとしている。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
記事提供: