人的補償の長野&内海はFA権保有 1年での流出リスク、埼玉西武&広島のメリットどこに?

Full-Count

2019.1.7(月) 19:02

長きにわたり巨人を支えた長野久義(左)と内海哲也※写真提供:Full-Count(写真:Getty Images、荒川祐史)
長きにわたり巨人を支えた長野久義(左)と内海哲也※写真提供:Full-Count(写真:Getty Images、荒川祐史)

生え抜きベテランがプロテクト漏れも…内海と同様に長野もFA権を保持

 巨人は7日、FAで獲得した丸佳浩外野手の人的補償として、長野久義外野手が広島へ移籍すると発表した。昨年12月に、炭谷銀仁朗捕手の人的補償で埼玉西武へと移籍した内海哲也投手に続き、生え抜きのベテラン功労者が28人のプロテクトから外れ、他球団に流出することになった。

 内海が埼玉西武に移籍した際には、FA権を保有していることに注目が集まった。1年後に権利を行使してチームを離れる可能性があるからだが、埼玉西武側もこれは折り込み済のこと。渡辺久信SDは「もちろんそこは認識している。でも、彼が1年間しっかり仕事をしてくれれば、移籍することになっても獲得した意味はある」と語っていた。

 長野に関しても、これは当てはまる。2006年の北海道日本ハム、2008年の千葉ロッテと2度の指名拒否の末に、2009年に意中の球団だった巨人にドラフト1位で入団した長野。1年目の2010年から続けて活躍しており、すでに海外FA権を取得済み。内海と同じく本人が望めば、1年で権利を行使して他球団へと移籍する可能性がある。

 FA権を保持し流出するリスクのある、なおかつ年俸の高額なベテランは一見すると、人的補償としては避けそうなもの。ただ、埼玉西武は内海を、広島は長野を選んだ。それは十分なメリットを見越してのことだろう。チームの力を底上げしてくれるであろう力、そして巨人を支えてきた実績、経験、これらももちろんだが、それだけではない。

仮に1年で流出する事態となったとしても…

 まず埼玉西武だ。炭谷の昨季の年俸は1億5000万円で年俸ランクBと見られる。埼玉西武は人的補償の内海を獲得したことに加え、6000万円の金銭補償も得る。そして、内海の年俸1億円は炭谷と同じ年俸ランクBとなる。仮に1年で流出したとしても、再び人的補償による選手と、4000万円の金銭補償(金銭だけなら6000万円)を得ることになる。

 丸の昨季の年俸は2億1000万円で年俸ランクA。広島はこの補償として人的補償の長野に加えて、1億500万円の金銭補償も得ることになる。そして、長野だ。長野の今季年俸は2億2000万円。こちらも広島では年俸ランクAとなる。仮に1年で移籍となった場合は、人的補償に加えて、1億1000万円の金銭補償(金銭だけなら1億7600万円)を得ることができる。

 埼玉西武と広島が、内海と長野に戦力となれる力を持っていると判断して獲得したことは間違いないだろう。なにものにも代えがたい実績と経験も2人は持っている。そして、それに加えて、仮に1年で流出する事態となったとしても、新たな人材を人的補償で獲得し、かつ金銭補償も得ることができる点も見逃せないだろう。

(Full-Count編集部)

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