お株を奪うような一発攻勢での決着だった。楽天が18日に行われた「2017 ローソンチケット クライマックスシリーズ パ」ファイナルステージの初戦に勝利。これで1位チームに与えられる1勝のアドバンテージを含めた対戦成績を1勝1敗の五分とした。
シーズン中に何度も見た、そしてファーストステージでも見た光景だ。初回無死、カウント1-1からの3球目、1番・茂木選手が高めの直球を迷うことなく振り抜くと、打球は失速せずに左中間席に飛び込む先頭打者弾。「少し差し込まれた感じでしたけど、強くスイングすることができました。外野フライかと思いましたけど、そのままスタンドまで届いてくれて良かったです。打った自分が一番ビックリしています」と、打った本人も、打たれた東浜投手も驚く電光石火の一撃となった。
2回には、ペゲーロ選手の代わりに今日一軍登録されたアマダー選手が「出られる準備はしっかりしてきたからね。大事な試合でチャンスをくれた監督に感謝したい」と語る強烈な一発を放つ。さらに4回には先頭のウィーラー選手が低めの変化球を的確に捉え、3点目となるソロ。今季、両リーグトップの164本塁打を放った福岡ソフトバンクを相手に、3本塁打を浴びせた。
援護を受けた先発の塩見投手は、2回、3回はいずれも3者凡退に抑えるなど、3回までわずか1安打に抑える投球。4回以降は走者を出しながらも要所を締め、6回に今宮選手に一発を浴びて1点を奪われるも、6回1失点の好投で救援陣に後を託す。7回以降はハーマン投手、高梨投手、福山投手、松井裕投手とつないで無失点。ソロアーチだけで奪った3点を小刻みな継投で守り抜いた。
好投を見せた塩見投手は、ヒーローインタビューで「この勢いで日本シリーズに出たいと思うので、応援よろしくお願いします!」とファンに呼び掛けた。ファイナルステージはまだ幕を開けたばかり。だが、初戦を制したことは非常に大きく、イーグルスにとっては数字以上に大きな1勝となったことだろう。3位からの下剋上となるか、これで2戦目以降がますます楽しみになった。
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