平成“最高”打者は誰だ? 30年間の安打、本塁打、打点トップは…

Full-Count 広尾晃

2019.1.4(金) 14:25

現役引退後は2016~2018年まで阪神の監督を務めた金本知憲氏※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
現役引退後は2016~2018年まで阪神の監督を務めた金本知憲氏※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

積み上げ型の記録は“鉄人”金本知憲に軍配

 平成30年の間には野球界に数々の傑出した選手たちが現れた。NPBで積み上げられた、その偉大な功績を振り返ろう。まずは打者から。

○通算安打数10傑()は平成の実働期間
1金本知憲 2539安打(1992-2012)
2石井琢朗 2432安打(1989-2012)
3立浪和義 2405安打(1989-2009)
4稲葉篤紀 2167安打(1995-2014)
5宮本慎也 2133安打(1995-2013)
6小笠原道大 2120安打(1997-2015)
7前田智徳 2119安打(1990-2013)
8谷繁元信 2108安打(1989-2015)
9中村紀洋 2101安打(1992-2014)
10古田敦也 2097安打(1990-2007)

 鉄人と呼ばれた金本知憲が1位。史上2位の連続試合出場を作った金本は、ほとんど休むことなく試合に出続けたので、積み上げ型の数字では傑出している。金本の2539安打はNPB史上では7位だ。

 3位の立浪和義は1988(昭和63)年のデビューなので、この年の75安打が含まれていない。これを足せば2位の石井を抜く。

 現役では鳥谷敬(阪神)が2095安打。阿部慎之助(巨人)が2085安打。開幕から先発出場していれば、平成が終わる4月末までに、6位の小笠原あたりまで迫る可能性はあるだろう。

○本塁打10傑 ※は現役
1金本知憲 476本塁打(1992-2012)
2ローズ 464本塁打(1996-2009)
3清原和博 434本塁打(1989-2008)
4小久保裕紀 413本塁打(1994-2012)
5中村紀洋 404本塁打(1992-2014)
6山崎武司 403本塁打(1989-2013)
7阿部慎之助 399本塁打(2001-2018)※
8中村剛也 385本塁打(2003-2018)※
9ラミレス 380本塁打(2001-2013)
10小笠原道大 378本塁打(1997-2015)

 本塁打も金本が1位。金本は本塁打王のタイトルはないが「丈夫で長持ち」で1位になった。金本の通算本塁打はNPB歴代では10位。

 1988年の東京ドームの開場以来、NPBの本拠地球場は両翼90m中堅110mから両翼100m中堅122mへと大型化した。本塁打数は、昭和に比べて減っている中での数字だ。

 清原和博は昭和時代に91本塁打している。それを足せば金本を上回る。現役では阿部慎之助(巨人)、中村剛也(埼玉西武)がランクインしている。

通算打率は昨季からNPB復帰の青木宣親

○打点10傑
1金本知憲 1521打点(1992-2012)
2中村紀洋 1348打点(1992-2014)
3小久保裕紀 1304打点(1994-2012)
4新井貴浩 1303打点(1999-2018)
5清原和博 1292打点(1986-2008)
6ラミレス 1272打点(2001-2013)
7ローズ 1269打点(1996-2009)
8阿部慎之助 1258打点(2001-2018)
9山崎武司 1205打点(1989-2013)
10小笠原道大 1169打点(1997-2015)

 打点も金本が1位。平成最強の打者と言ってもいいのではないか。今季限りで引退した新井貴浩(広島)が4位だ。清原和博は、昭和時代も含めれば1530打点になる。現役では阿部慎之助(巨人)の1258打点が最多だ。

○盗塁数

1赤星憲広 381盗塁(2001-2009)
2荒木雅博 378盗塁(1997-2018)
3松井稼頭央 363盗塁(1995-2018)
4石井琢朗 358盗塁(1989-2012)
5本多雄一 342盗塁(2006-2018)
6片岡治大 320盗塁(2005-2016)
7糸井嘉男 288盗塁(2007-2018)※
8小坂誠 279盗塁(1997-2010)
9村松有人 270盗塁(1992-2010)
10緒方孝市 268盗塁(1989-2009)

 盗塁数NPB1位は、福本豊の1065。赤星の記録はその半分以下だ。平成の野球は昭和に比べて盗塁数が大幅に減っている。投手のクイックモーションなども進化し、盗塁の難易度が上がったと言われている。また、セイバーメトリクスが盗塁を重要視していないことが影響した可能性もある。

 赤星はわずか9年間で381盗塁。突然の引退がなければ、さらに数字を伸ばしていただろう。2位の荒木雅博(中日)、3位の松井稼頭央(埼玉西武)、5位の本多雄一(福岡ソフトバンク)は昨季限りで揃って引退。現役では糸井嘉男(阪神)が1位だ。

○通算打率(4000打数以上)

1青木宣親 .329/4395打数1446安打/(2004-2011/2018)※
2小笠原道大 .310/6828打数2120安打/(1997-2015)
3内川聖一 .307/6661打数2043安打/(2001-2018)※
4松井秀喜 .304/4572打数1390安打/(1993-2002)
5鈴木尚 .3034/4798打数1456安打/(1991-2008)
6カブレラ .3033/4510打数1368安打/(2001-2012)
7和田一浩 .3029/6766打数2050安打/(1997-2015)
8前田智徳 .302/7008打数2119安打/(1990-2013)
9糸井嘉男 .3008/4999打数1504安打/(2007-2018)※
10ラミレス .3006/6708打数2017安打/(2001-2013)

 2018年からNPBに復帰した青木宣親(東京ヤクルト)は4000打数に達して打率.329、平成だけでなくNPB史上でも打率1位になった。現役では内川が3位で、右打者では1位だ。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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