“大谷世代”の現在地 鈴木誠也が唯一の1億円プレーヤー、復活期待の藤浪晋太郎

Full-Count

2018.12.27(木) 10:42

阪神・藤浪晋太郎(左)、広島・鈴木誠也※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
阪神・藤浪晋太郎(左)、広島・鈴木誠也※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

東北楽天田中が新人王でブレーク! 千葉ロッテ田村&中日京田は全試合出場

 広島の鈴木誠也外野手が24日に大トリで契約更改交渉に臨み、7000万円アップの年俸1億7000万円でサイン。今季124試合出場し、打率.320、30本塁打、94打点とチームのリーグ3連覇を主軸として引っ張ったことが評価された。エンゼルスの大谷翔平投手は今季54万5000ドル(約6200万円)、阪神の藤浪晋太郎投手は来季8400万円で、現時点で“大谷世代”で唯一の1億円プレーヤーとなった(金額は推定)。

 18年のプロ野球界は“大谷世代”の多くの選手たちが台頭するシーズンとなった。その筆頭が東北楽天の田中和基外野手だろう。16年ドラフト3位でプロ入り。プロ1年目の昨季は代走での出場が多く、51試合出場、打率.111、1本塁打、2打点、7盗塁だったが、今季その才能が開花した。5月下旬に1軍昇格すると、平石監督代行が就任してからは「1番・中堅」に定着。105試合出場し、打率.265、18本塁打、45打点、21盗塁を記録し、チーム史上3人目の新人王を獲得した。11月の日米野球では侍ジャパン日本代表に選出されるなど飛躍のシーズンとなった。

 千葉ロッテの田村龍弘捕手は自身初の全試合出場。世代を代表する捕手への成長が期待される。昨季新人王の中日・京田陽太内野手は全143試合出場した。打撃不振に苦しみ打率.235だったが、シーズン6失策、守備率.991は十分評価されるべき好成績。中日勢では笠原祥太郎投手はシーズン序盤は不安定だったが、チェンジアップを武器に後半戦だけで6勝をマーク。侍ジャパンにも選出された。

 巨人の吉川尚輝内野手はキャンプから正二塁手の筆頭とされ、開幕スタメンを奪取。8月に左手を骨折して戦線離脱したものの、92試合出場、打率.253、4本塁打、29打点、11盗塁を記録した。広島の西川龍馬外野手はキャリアハイの107試合出場し、打率.309、6本塁打、46打点をマーク。2年連続MVPの丸佳浩が巨人へFA移籍し、来季は打力を生かしたレギュラー奪取の期待がかかる。

 阪神の大山悠輔内野手は9月16日の横浜DeNA戦で3本塁打を含む6安打7打点を記録。昨季の75試合出場から117試合出場に伸ばし、打率.274、11本塁打、48打点を記録。来季は4番奪取が期待される。阪神では今季62試合出場ながらも打率.322を記録した北條史也内野手が正遊撃手、今季7勝7敗だった小野泰己投手が先発ローテの一角として一本立ちしたいところだ。

阪神では大山、北條、小野ら、巨人の畠や中日の柳らの飛躍にも期待

 東京ヤクルトの中尾輝投手は近藤一と共に抑えの石山につなぐセットアッパーとして躍動。54試合に登板し、7勝3敗12ホールド、防御率3.50を記録した。高校時代、阪神の藤浪晋太郎投手の2番手投手だったオリックス澤田圭佑は47試合登板し、負けなしの5勝8ホールドをマークした。

 奮起が期待されるのがその藤浪だろう。今季13試合登板、5勝3敗、防御率5.32では物足りない。矢野政権で復活できるか。千葉ロッテの2016年ドラフト1位の佐々木千隼投手は7月に右肘関節遊離体の除去手術を受けたが、10月中には投球練習を再開している。2016年ドラフトで5球団が競合した福岡ソフトバンクの田中正義投手は開幕1軍入りしたものの、故障などで10試合登板にとどまった。まずは1軍争いへアピールしたいところだ。

 故障がちでシーズン終盤で1軍に復帰した巨人の畠世周投手、今季2勝5敗だった中日の2016年ドラフト1位柳裕也投手、今季4勝5敗に終わった横浜DeNAの濱口遥大投手、“ミギータ”の愛称を持つ福岡ソフトバンクの真砂勇介外野手などは飛躍が待たれる存在だ。

 巨人の辻東倫内野手は現役引退。15年に10勝を挙げた中日の若松駿太投手が戦力外となるなど、球界を去る選手たちも。“大谷世代”の選手たちには、世代の象徴であるエンゼルス大谷に負けないインパクトを期待したい。

(Full-Count編集部)

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