巨人内海、埼玉西武移籍の衝撃 過去にも例を見ない生え抜き功労者の人的補償

Full-Count

2018.12.20(木) 14:51

かつては侍ジャパンにも選出されたほどの実績を持つ内海哲也※写真提供:Full-Count(写真:Getty Images)
かつては侍ジャパンにも選出されたほどの実績を持つ内海哲也※写真提供:Full-Count(写真:Getty Images)

江藤、工藤、藤井…巨人から移籍したベテランはFA加入組ばかり

 衝撃の人選だったと言えるだろう。巨人と埼玉西武は20日、FAで埼玉西武から巨人へと移籍した炭谷銀仁朗捕手の人的補償選手として、通算133勝をマークしている大ベテランの内海哲也投手が埼玉西武へ移籍すると発表した。今季がプロ15年目。巨人の生え抜きとしてチームを長らく支えてきた36歳が、28人のプロテクトリストから外れ、人的補償として選ばれて移籍となったことは驚きをもって受け止められた。

 フリーエージェント制度が発足した1993年から、2018年まで実に90人の選手がFA権を行使して国内他球団に移籍した。その補償として、昨季まで24人の人的補償が発生してきたが、将来性を考えた若い選手が選ばれることが多く、内海のような実績ある大ベテランに白羽の矢が立つことは珍しい。

 内海は2003年の自由獲得枠で巨人に入団。2年目の2005年からローテを担うと、3年目の2006年には初の2桁勝利となる12勝をマーク。そこから3年連続2桁勝利をマークし、2010年からは4年連続2桁勝利、2011年と2012年には2年連続最多勝に輝いた。

 近年は故障などの影響もあり満足のいく成績は残せていなかったが、今季は4年ぶりの完封勝利を挙げるなど、15試合に登板して5勝5敗、防御率4.17の成績を残した。プロ15年間で通算324試合に登板し133勝101敗0セーブ2ホールド、防御率3.21。6度のリーグ優勝、4度の日本一に大きく貢献し、紛れもない、チームの功労者だった。

 過去の人的補償で30歳を超え、なおかつ実績豊富な選手が人的補償として選ばれた主なケースと、移籍前後の成績は以下のようになる。

◯江藤智(35歳、巨人→埼玉西武)
2005年:81試合93打数16安打0本塁打4打点 .172
2006年:52試合124打数30安打5本塁打19打点 .242

◯工藤公康(43歳、巨人→横浜)
2006年:13試合3勝2敗0セーブ0ホールド 4.50
2007年:19試合7勝6敗0セーブ0ホールド 3.91

◯藤井秀悟(34歳、巨人→横浜DeNA)
2011年:1試合0勝0敗0セーブ0ホールド 5.40
2012年:16試合7勝7敗0セーブ0ホールド 3.75

◯馬原孝浩(31歳、福岡ソフトバンク→オリックス)
2012年:1軍登板なし
2013年:3試合0勝0敗0セーブ1ホールド 0.00

 実績豊富なベテランとして、この4人(馬原は31歳と若いが……)を挙げたが、江藤や工藤、藤井はいずれもFA権を行使して巨人へ移籍し、その後に別の選手のFA加入に伴い、他球団へ人的補償で移籍していった。移籍1年目はそれぞれ、前年を上回るまずまずの成績を残している。

 馬原はオリックスに移籍することとなった2012年に右肩を手術しており、1軍登板なし。オリックス移籍1年目も3試合の登板に終わったが、同2年目に55試合に登板して32ホールドをマークして結果を残した。

 馬原のケースはあるものの、巨人が10年以上に渡ってチームを支えてきた功労者を人的補償で放出するのは、これまでになかったことだ。投手陣の精神的支柱でもあったであろう内海の移籍。これもまたFA制度であり得る形か。今後、チームにどんな影響があるだろうか。

(Full-Count編集部)

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