9月24日(日)対オリックス・バファローズ戦の試合前、メットライフドームのドーム前広場特設ステージにて「LIONS BASEBALL FOR THE WORLD 野球用具寄付プロジェクト」の出発式が執り行われた。この活動は、株式会社西武ライオンズが2013年から取り組んでいる“海外の子どもたちに野球用具を寄付する活動”で、これまでにはミクロネシア、フィリピン、カンボジア、マレーシア、ベトナムに約2万点の野球用具が届けられた。
5年目を迎えた今年は7月21日(金)からの約2カ月間、メットライフドームや県営大宮球場で不要となった野球用具、運動靴などを回収。これに加えて埼玉西武ライオンズの選手たちもバッティンググローブやスパイクを寄付し、計4千点以上の用具を回収した。
この活動に携わる株式会社西武ライオンズ・事業部リーダーの別府学氏は「ファンの方と一緒にできる野球振興活動を模索していく中で、野球ファンの多くは野球をやっている、またはやっていた方が多いのではないかと考えました。そして、用具を買いなおした際に、思い出の詰まった古いものを捨てるに捨てられない。そんな用具は家の倉庫などにしまってあるのではないかと考え、その用具を有効活用しよう、と。なおかつ海外での野球発展につなげる活動を始めたいと思い、当活動を始めました」と、きっかけについてこのように説明する。
日本では野球というスポーツが当たり前のように根付いているものの、まだまだ世界を見渡せば、そのレベルに至っていない国は多いという。別府氏は「世界ではマイナー競技である野球を各地域で広め、プロ野球で活躍したいと思うような子どもたちを増やしたい。そして将来的には日本のプロ野球で選手として活躍してもらいたい」という願いを込め、当活動に力を入れている。
先に述べたように、埼玉西武ライオンズの選手も積極的にこの活動に参加している。実際に野球用具を寄付した選手の一人である外崎選手は「ファンの皆さまからは本当にたくさんの野球用具や運動靴をいただきました」とファンに感謝の言葉を口にし、「皆さまのおかげで、海外では野球に触れる子どもたちが増えてきています。これからもファンの皆さまと僕たち選手が一緒に取り組んでいくことで野球の輪を広げていきましょう」と呼び掛けた。
5年目となった「LIONS BASEBALL FOR THE WORLD 野球用具寄付プロジェクト」だが、今後も継続していくことが重要であると説き、「まだ野球用具が手に入らない国が多く、試合の機会も少ないと聞いています。用具の寄贈や大会開催の支援などを継続して行っていきたい」と展望を語った別府氏。
これまでにも、車椅子ソフトボール大会の主催や、子供たちへの野球遊びの場の提供など、様々な普及活動を積極的に行ってきた埼玉西武ライオンズ。日本だけにとどまらず、世界中で必要としている子どもたちに野球用具や活躍の場が与えられる。こうして日本と世界の野球がつながっていくのかもしれない。
記事提供: