ロッテの益田直也は今季シーズン通して一軍で投げ抜き、40試合に登板して、1勝1敗4ホールド2セーブ、防御率3.43の成績を残した。
益田は19年から6年連続20セーブ以上挙げるなど、チームがなかなか勝てずに苦しんだ時代、Aクラスが常連となりリーグ優勝が目前に迫った2020年前半と、長きにわたってマリーンズのブルペンを支えてきた鉄腕。昨季はシーズン自己ワーストの22試合の登板にとどまり、1勝4敗2ホールド5セーブ、防御率4.35と悔しいシーズンに終わった。
シーズン終了後に行われたZOZOマリンスタジアムでの秋季練習、都城秋季キャンプに参加し、ウエイトトレーニングも本格的に取り入れるなど、これまでの取り組みから大きく変更。シーズンオフも休まず体を動かした。
オープン戦では6試合に登板して0.00と結果を残し、開幕一軍を掴む。開幕から任されたポジションは守護神、セットアッパーではなく、大量リードの勝ち試合の9回、ビハインドゲームでのポジションで腕を振った。
「どこで投げても一緒なので、誰かがそこを投げないといけないですし、負けているから試合が終わることでもないと思うので、勝つためにはそこでゼロに抑えたら勝つチャンスがあると思う。そこを担う人もいないといけないと思います。そこでなんとか結果を出していければなと思います」
そのポジションで1つ1つ結果を残していき、7月10日のオリックス戦、8-6の9回一死一塁で今季初めてセーブシチュエーションの場面で登板し、0回2/3を無失点に抑え今季初セーブ。8月4日の西武戦、5-3の9回に登板し1回を無失点に抑えNPB通算250セーブを達成した。7月以降は22試合・20回1/3を投げ、防御率は2.66と安定した投球を披露。
黒木知宏投手コーチは「一番頭が下がります。あれだけの選手なのに、そういった大量ビハインドの中でイニングを埋めなきゃいけないところで投げたりしたわけじゃないですか。普通はちゃぶ台ひっくり返したくなります。でもそれをグッと堪えながらもなんとか自分でそのポジションからもう少し上、さらに上、一番後ろで投げるというところを目標にやり続けたところに頭が下がる思いです」と感謝した。
「なんていうんですかね、文句も言いたくなるでしょう。それをせずに歯を食いしばってやり続けたことに僕は感謝しています。だからこそ、いい形で250セーブをここであげることもできたし、僕は野球を一生懸命やっている人にはご褒美をあげていると思っています。それは彼が今までやってきたことの250セーブにつながっていると思いますね」と労った。
益田はポジションが変わっても、腐ることなく、戦う姿勢を見せた。黒木コーチは「やることは変わらないです。ちゃんとトレーニングをしてちゃんと走って。走る量も誰よりも多い。調子が正直良くなかったんですよ。調子を上げるためにどうしたらいいか自分で分析もして、分析した物が形として投げる姿に変わっていく。体が強くなってボールの出力も上がっていく。本当にお手本。自分が何をしなきゃいけないかをしっかりと理解した上でやっている選手だとずっと思って見ていました。僕はシーズンの中盤から後半は一番良かった。どのピッチャーよりも強いボールを投げていた。一番最後を任せようかと思いますよね。それは彼がそういう状況の中でも歯を食いしばってやってきたこと。そのポジションで投げなきゃいけない、投げるぞという思いがああいう形でセーブを取ることができたと思います」と評価する。
「僕はすごくありがたい思いもありますし、益田の中にも今までと見たことのない違った景色が見えたんじゃないかと思いますよね。それは本人に聞いて見ないとわからないし、どう感じるかわからないですが、彼の野球人生の中で大きなものになると思って僕は見ています」とその凄さを語った。
益田は取り組みを変え挑んだ今季、しっかりと結果を残した。来季もマリーンズのブルペンを支えてくれるはずだ。
取材・文=岩下雄太