ロッテ・河村説人「もっとやらなければならなかった」と反省。来季に向け「スポットで投げる先発ではなくてローテーションで1年間投げる」と決意

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ロッテ・河村説人(撮影=岩下雄太)
ロッテ・河村説人(撮影=岩下雄太)

 「自分としては一番先発した年にはなりましたけど、チームの状況とかを見るともっと投げるチャンスもありましたし、もっとやらなければならなかったなと思います」

 ロッテの河村説人は6年目の今季、9試合・プロ入り後最多の8試合で先発し、49回を投げ、1勝4敗、防御率4.59だった。

 近年、ストレートのスピードを上げるために動作解析を行いフォームの改善などを行なってきたが、26年に向けて「今年もアメリカに行って特に球速を求めてやっていました」と変わらずストレートの強さを求めた。

 2月の都城春季キャンプでは2日に初めてブルペン入りし、7日にはライブBPに登板。髙部瑛斗、藤原恭大に合計20球を投げ、安打性のあたりを2本に抑えた。今年初めて打者に投げて「最初にしてはストライクもいったので、気温も寒いですし、その中では合格点は挙げられるかなと思います。もうちょっと強い球も投げたかったんですけど、これから上がってくればいいかなという感じです」と振り返った。

 対外試合に向けて、「もちろん先発として考えられていると思うので、四球で崩れない。しっかりやってきたことを出せるように。強いストレートを出せるようにやっていきたいです」と意気込んだ中で、2月14日のDeNAとの練習試合で対外試合今季初登板し2回1失点、2月22日の韓国・ハンファとの練習試合では3回を無失点に抑えた。

 この登板を最後にファームで先発調整。ファーム・リーグで4試合に先発し、満を持して4月10日の西武戦で今季一軍・初先発。0-0の初回一死走者なしで桑原将志に2ボールから投じた3球目のインコース140キロストレートファウル、0-0の初回二死走者なしで岸潤一郎に1ボールから2球目インコースのストレートでファウル、2ボール1ストライクから4球目のインコース137キロのストレートで空振りを奪うなど、“右打者のインコース”を攻め込んだ。

 「(右打者のインコースに)元々投げてはいたんですけど、左バッターに比べて右は少しバリエーションが少なくなってしまうというか、左だとカットボールとかでもインコース使えますが、右はそういう球がない。その分インコースをしっかり投げていかないと、バリエーションという部分では少なくなっちゃうので、投げるようにしています」

 この日、インコースを意識させた中で、外の球で打ち取る場面もあった。「相手バッターの傾向にもよりますけど、インコースを使わないと球速もないので、ストレートを速く見せる部分では大事かなと思います。使うことで変化球も効果的になるんじゃないかなと思います」

 今季初先発で、6回・92球、4被安打、5奪三振、0与四球、1失点と先発の役割を果たした。4月12日に一軍登録を抹消され、ファームで再調整。4月17日のヤクルト二軍戦が6回・61球、4月28日のソフトバンク二軍戦は6回・67球、5月14日のヤクルト二軍戦が6回・79球、6月6日のヤクルト二軍戦が5回・51球と省エネ投球が目立った。

 「目標はああいう球数でいくのがベストですし、三振はその分少なくなるんですけど、球数が少ないのは理想かなと思います」

 5月23日の西武二軍戦、2-1の4回先頭の村田怜音を初球のインコースシュートで三ゴロに打ち取るなど、右打者のインコースにシュートを投げ込む登板が増えた。

 シュートは「結構投げています。アウトの内容というのも意識してやっていて、ゴロアウトの方がいいので、そこを目指してという感じですね」と明かす。シュートを投げながらも、右打者のインコースに投げるストレートも「狙ったところにはいけているのかなと思います」と好感触を掴む。

 ストレートのスピードについては「最近(スピードが)出ていないですけど、見逃し三振もちょっと増えてきたり、色々ピッチングとしての幅を増やしたいと思っている段階。スピードは今は気にせず狙ったところに投げるのを意識してやっています」と説明した。

 一軍ではこれまでと違った姿を見せてくれそうな予感もある。「(球種が)増えればいいかなという感じなので、まっすぐが、もし悪かったらシュートを多めにできると思います。ピッチャーとして、いろんな抑え方ができるように増やしている感じですね」

 ファームでは少ない球数でイニングを消化し、「任されたところできっちり投げられていますし、イニングも行けと言われたイニングはいけている。そんなに悪くないかなと思います」と手応えを掴んだ中、6月24日の日本ハム戦で4月10日の西武戦以来先発のチャンスが巡ってきた。

 同日の日本ハム戦は、5回6失点とピリッとせず。7月1日の楽天戦は2回までに45球を投げるも、3回、4回、5回は3イニング連続三者凡退で、終わってみれば7回を投げ、7回・113球を投げ、6被安打、3奪三振、無失点で今季初勝利。

 「やりたいことはやれています。もちろんバッターのレベルは高いですけど、データももちろんファームより多いですし、しっかり出してくれたデータに基づいて投げていけば、なんとかなっていけるかなという感じですね」

 5回1失点にまとめた7月8日の日本ハム戦では、「ホームランがある打線なので極力こちらとしてもゴロを打たせたい選択になったのかなと思います」と、0-0の初回先頭の水谷瞬を1ストライクから投じた2球目のインコース142キロシュートで右飛、0-0の初回二死走者なしでレイエスを2ボール2ストライクからインコースのシュートで中飛と、フライアウトではあったものの、初回から右打者のインコースにシュートを積極的に投げ込んだ。

 7月24日のオリックス戦では、完投勝利を目指し2-1の9回のマウンドに上がったが、山中稜真、太田椋に適時打を浴び、サヨナラ負け。それでも、8回1/3・117球を投げ、4被安打、3奪三振、1与四球、3失点と先発の役割を十分に果たした。「9回まで行けたというのは良かったと思います」と振り返る。

 同日のオリックス戦では初回に失点し、2-1の2回も先頭の紅林弘太郎に死球。「死球後なので、ちょっと良くないなと思った後のアレだったので、集中できたというか、すごく良かったです。一番ゲッツーがいいなと思っていた場面だったので、いいボールだったなと思います」と、続く中川圭太を2ボール2ストライクからシュートで注文通りの二併に打ち取った。

 シュートでゴロアウトを取れるというのは心持ちとしても大きいのだろうかーー。

 「もともとフライが多いピッチャー。シュート、フォークで、特にシュートを覚えてからゴロがちょっとずつ多くなっているので、前よりはゲッツーを取れるなと思って投げています」

 「バッターとの兼ね合いもありますけど、まっすぐで行けそうだなと思ったので、まっすぐいきました」と、2-1の2回二死走者なしで杉澤龍に初球外角145キロストレート空振り、2球目外角116キロカーブ見逃し、3球目外角147キロストレートで空振り三振。緩急をつけた見事な投球だった。3回以降は少ない球数でテンポ良く、オリックス打線を8回まで毎回三者凡退に片づけた。

 6月24日に再昇格後、先発で投げていた中で、「もう少し空振り、三振も取れていないので、苦しいピッチングになることも多いんですけど、その中で抑えられている試合もある。いろんな投げるボールを増やすだったり、できることを毎試合、全部出しながらやっていければなんとか、これくらいにはなるのかなと思っています。もうちょっと頑張りたいですね」とポツリ。

 空振りというところでは、フォークで空振りを取りたいのだろうかーー。

 「フォークもそうですし、ストレートでもファウル、今はまっすぐとシュートとカットボールとなっているので、もちろん理想はもっとストレートで押したいなとは思います」

 そのカットボールも7月11日の取材で「カットは便利な球なんですけど、増えすぎないようにしています」と口にするも、ストレート、フォーク、シュートとともに投球を支える球種になっている。

 「被打率を見てもカットボールは低めですし、使い方を間違えなければ有効なボールになる。全く消さずに。ただストレートも消さずに忘れないようにしないといけないと思うので、減らすというよりはまっすぐを忘れないようにと思っています」

 オールスター明け初戦となった7月31日の日本ハム戦では、先発のマウンドを託された。4回5失点で敗戦投手になると、8月11日のソフトバンク戦も4回7失点で降板し、一軍登録を抹消。

 「球速を上げるのが一番ずっとやっているんですけど、めちゃくちゃ良くなったかというとまだわからないですけど、そこはやっていましたね」と、ファームでの再調整を経て、10月1日に一軍再昇格。

 同日の日本ハム戦ではリリーフ登板し、4回2/3を投げ5安打2失点。0-3の6回先頭の有薗直輝を1ボール1ストライクから空振りを奪った3球目のインコース134キロシンカー系フォークが良かった。

 「最後の試合はちょっと自分の中でもファームでフォームで取り組んでいることがあって、その中で上がってこれた。ちょっと意識して投げたら、フォークの軌道も結構空振りが取れていたので、いい感覚だったなと思います」

 フォークの空振りを課題にしていた中で、「あの試合だけを見ればフォークも良かったですし、ストレートでも空振りが取れていたので、良かったなと思いますけど、1番は球速が上がることで空振りが増えるのは一番良い。いろんな感覚とかフォームを試しながらですけど、最後の良かった感覚も持ちつつ、いろんなチャレンジもしていけたらなと思っています」と最終登板でフォークで空振りを奪えたのは収穫になった。

 この秋は毎年課題に取り組むストレートの強さを継続し、「そのためには投球フォームの見直しですね。あとは体の1年間投げられる強化を2つメインしてやっています」とのこと。

 強いストレートを投げるために、「身長がある分、球速ももう少し出るはずだと思っているので、フォームでロスしている形だと自分は思っています。感覚をまるっきり変えていろんな感覚で投げた中で、どこか正解が見つけられればいいなと思っています」と説明。

 来季は「スポットで投げる先発ではなくてローテーションで1年間投げるのが目標なので、今年大きな離脱はなかったですけど、シーズン通してコンディションを整えるのは大変だなと感じたシーズンだった。1年一軍で投げられるようにしたいと思います」と意気込んだ。

取材・文=岩下雄太

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