「鷹の祭典」を東京Dと京セラDで開催、「タカガールユニホーム」の全国WEB投票も実施
今季2年連続の日本一に輝いた福岡ソフトバンク。パ・リーグは2位だったものの、リーグ覇者の埼玉西武を撃破してクライマックスシリーズを勝ち上がると、日本シリーズも制し、2年連続で日本の頂点に立った。名実ともに、プロ野球を代表する常勝球団となりつつあるが、球団が見据える視線の先は、もっともっと高い。
現状に胡座をかくことなく、球団としてさらなる成長戦略を描く。このオフには、本拠地ヤフオクドームの大規模改修を実施。現在はその工事の真っ最中で、外野スタンドを拡張し、収容人数4万人超にする。さらにヤフオクドームの隣接地には自社ビル「エンターテインメントビル(仮称)」を建設予定。2020年春以降の順次開業を目指すとしており、プロ野球球団の枠を飛び越えた「エンターテインメント企業」へと“改革”を進めている。
福岡、そして九州を地元とし、地域密着を掲げる福岡ソフトバンク。ただ、球団としては地元を何よりも大切にする一方で、これまで以上に、チームとして、球団として成長するべく、日本全国にも視線を向けている。「鷹の祭典」の東京ドーム、京セラドームでの開催もしかり、「タカガールユニホーム」の全国WEB投票の実施もしかり。九州一円のみならず、日本全国に鷹ファンを増やすべく、様々な戦略を講じている。
12月15日と16日。福岡市の某所で行われていたのは、ホークスのオフィシャルダンス&パフォーマンスチーム「ハニーズ」のオーディションだ。試合前や試合中の雰囲気を盛り上げるダンスパフォーマンスだけでなく、イベント出演など、球団とファンを繋ぐ“架け橋”としても活動している「ハニーズ」。例年、九州だけでなく、全国からも応募者が集まるこのオーディションを、今回ホークスは初めて関東と関西でも開催した。
福岡の球団が、なぜ3つの都市でわざわざオーディションを実施したのか。その狙いを、福岡ソフトバンクの事業統括本部マーケティング本部長兼CRM推進室長の白川隆志氏は「福岡の球団ですので、これまでは福岡だけでオーディションをやっていました。ですが、近年、関西や関東の方から受験しに来てくれる方が増えてきておりまして、だとすれば、もっともっとそういう人材がいるのではないかと考え、より意識の高い人を求めて、幅広くオーディションをしようとなりました」と明かす。
幅広く、より良い人材を確保したいというのはもちろん、それだけではない部分もある。それがホークス全体として目を向ける全国的な認知度の向上、ファンの拡大という狙い。このオーディション開催にもその意味は込められており、白川氏も「もちろん全国的なところにも視線を向けているというのもあります。もちろん地元九州はとても大事にしつつ、全国の福岡ソフトバンクホークスファンを増やしていこうという取り組みの中の1つかなと思っております」と語っている。
実際に、関東と関西での事前オーディションでも、福岡ほどでないにしろ相当数の応募者が集まり、16日にヤフオクドームで行われた本オーディションに進んだ者もいた。「まだまだ、歴史のある球団ではないので。福岡ではだいぶ支持をいただいておりますが、全国的に見るとまだまだ足りないと思っています」と語る白川氏。より一層ファンを楽しませ、より良い球団となるために、福岡ソフトバンクはこういうところにも力を注いでいる。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
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