ロッテの小川龍成は打撃面で間違いなく成長、進化している。
まずは長打が増えた。オールスター前は89試合に出場して0本塁打、6二塁打、2三塁打だったが、オールスター明け28試合に出場して、2本塁打、5二塁打、3三塁打と長打が増えている。
昨年まで試合前の打撃練習で「ちょっと(バットを)長く持ってというか、強く振れるように意識してやっています」と“強く振る”ことを意識してスイングしていたが、後半戦長打が増えた理由について“強く振る”ことを挙げていた。“強く振る”意識の意味合いが去年までと変わったのだろうかーー。
「去年は去年で強く振る意識を持っていましたけど、今は打撃フォームを変えて足を上げて反動を伝えるバッティングフォームになっているので、より強い打球はいくのかなと感じています」と説明し、「去年はノーステップで強く振っていたので、ある程度、そこまで強い打球がいくわけではないですし、限界があった。今は足を上げて反動を使うバッティングフォームになってからは、より強く意識するようにしています」と続けた。
低くて強いライナー性の打球を意識して取り組んできたが、そこにプラス強く振ることも意識しているのだろうかーー。
「そうですね、ホームだと打撃ケージに6回入ることがあるので、6回の中で4回から5回くらいは低くて間を抜く打球を意識していく中で、最後の1回、途中の1回を大きいのというか、体を大きく使って遠くへ飛ばす意識しながらバッティング練習しています」
◆ 早いカウントで高い打率
今季の小川龍成は0ボール0ストライクの打率が.354(48-17)、1ボール0ストライクの打率が.423(26-11)とカウントが浅い時の打率が非常に高い。
「場面とか状況によると思うんですけど、自分みたいなバッターは初球(ストライクを)取りに来るケースが多いと思うので、そういう場面は初球を狙いにいって、その結果、打率が良いのかなと感じますね」
投手に球数を投げさせ粘りの打撃が持ち味の一つである小川だが、四球は427打席立って17個と少ない。
昨年シーズン終了後の10月19日の取材で「最初から粘りの打席、四球狙いというところは今年(2025年)少なくじゃないですけど、甘い球がきたらしっかり捉えにいくことを意識していて、追い込まれたら粘ったり、見極めして最悪四球で出るのを意識していました。もちろん、追い込まれたら粘って出塁したらチームに貢献できると思うので、そこのイメージを持ちながらですけど、とにかくヒットを打って出塁することをやりたい。今はそこを意識して練習しています」と話したように、25年は202打席立って12四球と少なかった。
四球が少ないのは、昨年と同じ認識で良いのだろうかーー。
「ヒットを打ちにいくというところで意識していますし、2ストライク後も粘りの意識はあるんですけど、去年まではファウルを打ちにいってずっと粘る意識だった。今は打ちにいった中でタイミングが合わなかったり、厳しい球だったりをファウルにする意識なので、去年ほど追い込まれてからもファウルを打つ意識はそんなに持っていないです」
「西岡(剛)さんとも話をしていて、去年まではこういう意識だったんですけどと言ったら、2ストライク後もある程度打ちにいった中で、粘れるようにと言われたのでそこは常に意識してやるようにやっています」
四球を選ぶための粘りだけではなく、ヒットを打ちにいく中で粘っている意識に変化した。小川は開幕からレギュラーで出場し、現在427打席。シーズンの規定打席到達がまもなくに迫っている。
「今までできなかったことができるようになってきて少しずつ成長してきたと思うんですけど、1年フルである程度出るのは1年目ですし、来年、再来年も継続していかないといけないところで特に満足せずに成長途中という意識でやるようにしています」。現状に満足することなく、さらなる成長を誓った。
取材・文=岩下雄太