「そこはなんとも思っていないですね」
ロッテの中森俊介は28試合、13ホールドはシーズン自己最多を更新しているが、全く興味を示さない。
今季初登板となった5月4日のオリックス戦から6月11日の巨人戦にかけて11試合連続無失点。「良いものをどんどん使って」という考えで昇格直後はスライダーの投球割合が多かったが、6月14日のDeNA戦、4-2の7回先頭の勝又温史に2ストライクと追い込んでから3球目の137キロフォークで一ゴロに仕留めるなど、6月14日のDeNA戦以降はストレート、フォークの2球種のみの昨季に近い投球スタイルに戻った。
しかし、7月後半から再びスライダーを混ぜた投球スタイルに戻っている。そのスライダーも7月25日のオリックス戦、3-3の7回無死走者なしで中川圭太を2ボールから左飛に打ち取ったスライダーは139キロといつもより速いスライダーを投げれば、8月1日の日本ハム戦、3-3の8回一死走者なしで清宮幸太郎に2ボールから投げた3球目のファウルにしたスライダーは131キロだった。
中森によると中川を仕留めたスライダーは“小さいスライダー”、清宮に投げたスライダーは“大きいスライダー”とスライダーを投げ分け、8月4日の取材時点でスライダーについて「まあまあです。そんなにすごく良いというわけではないです」と明かしていた。
フォークは7月23日の楽天戦、3-1の7回一死一、二塁で辰己涼介を2ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた7球目の外角137キロフォーク、7月25日のオリックス戦、3-4の7回二死一塁で山中稜真に1ストライクから投じた2球目のストライクゾーンからボールゾーンに落ちる空振りを奪った135キロフォークが良かった。
8月4日の取材で「フォークは見極められるケースも多くなってきたので、そこでしっかりフルカウントになってもカウントの取れるボールを何かあればいいなと思って、小さいスライダーをまた投げるようにしたんですけど、バッターの得意、不得意を見極めながら投げたいと思います」と自己分析した中で、同日の西武戦、5-3の7回一死一塁でカナリオに1ストライクから投じた2球目の136キロフォークはストライクゾーンからボールゾーンに良い落ちだった。
ストレートは7月23日の楽天戦、今季最速153キロを計測するなどストレートは18球中17球が150キロ超えを記録し、150キロ以上を計測する登板が増えてきた。
ただ中森は「数字的に球速は出ていると思うんですけど、そこまで質の良い、数値の良いボールではない。空振りの取れるボールではないですし、カウントを整えていく上で必要ではありますけど、今まで真っ直ぐが多かったところを別の球種でとって見たりとか、バッターの反応を見ながらですけど、真っ直ぐがまだまだ自分の思うような球じゃないので、騙し騙しという感じでやっています」(8月4日取材)と納得のボールを投げられていない。
7月25日のオリックス戦では、3-4の7回一死走者なしで渡部遼人の初球に一軍では今季初めて117キロカーブボールを投げたが、それもバッターの反応を見ながら、別の球種でというところに関係している。その後の登板を見ても、9日のオリックス戦、13日のソフトバンク戦は変化球主体の投球だった。
8月4日取材時点で納得のいくストレートが投げられていないと話していたとはいえ、8月は5試合・5回を投げ、イニングを上回る6奪三振、防御率0.00。シーズンの成績も、ここまで28試合に登板して、3勝1敗13ホールド1セーブ、防御率1.29、WHIPは0.96と安定した数字が並んでいるのは立派だ。
夏休みということで、将来プロ野球選手を目指す子どもや野球好きの子どもたちが球場に多く観戦に訪れている。「まずはしっかり0点で抑えるところを見せたいですし、怪我なく8月、9月を乗り越えられるように頑張りたいと思います」。安定した投球はもちろん、最後まで怪我なく戦い抜いてほしい。
取材・文=岩下雄太