
◆パ・リーグ ソフトバンク7―5日本ハム(5日・みずほペイペイドーム)
ソフトバンクが、5連勝で優勝へのマジックナンバー「37」をともした。日本ハムに4点差を追いつかれながら、8回に6戦ぶりスタメンだった野村勇内野手(29)が決勝2ランを放ち、王者の底力を見せた。最短Vは今月29日。南海時代の1964~66年以来60年ぶり、福岡移転後では初のリーグ3連覇へ、盤石なチーム状態を島尾浩一郎編集委員が「見た」。
ソフトバンクの打撃練習は「マン振り」が基本だ。ひと振りごとにうなり声をあげる柳田を筆頭に「背骨がきしむほど振れ」という王イズムが根付いている。日々の積み重ねが力強い打撃の源だが、パワー野球はパ・リーグでは大同小異。特筆すべきは、きめ細かさを兼ね備えているところだろう。24年の就任以来、小久保監督は「2ストライクアプローチ」を口酸っぱく言い続けている。追い込まれてからは、選球眼や進塁打を重視。1点を取る野球にこだわってきた。
走塁、守備も高い意識で取り組んでいる。3安打で勝利に貢献した正木が、中前打で一塁から三塁に進めず「許せない」と、小久保監督からやり玉に挙げられたことがあった。楽々セーフのタイミングではなく、他球団なら問題にならないであろうレベル。一塁までの全力疾走など、凡事徹底がすり込まれている。守備では12球団最少の33失策。周東、牧原大に代表されるように、球際の強さが目を見張る。
優勝したチームにありがちな、マンネリによる弱体化も見当たらない。「現状維持は衰退」と指揮官のポリシーのもと、チームは変化し続けてきた。山川、近藤の4、5番が目玉だった24年を経て、25年は野村、柳町がブレイクした。今季は「1番・正木」がハマり、近藤、栗原の3、4番が猛威をふるっている。投手陣の先発ローテや勝ちパターンもハイレベルで、毎年のように顔ぶれが違う。
昨年14勝で勝ち頭だった有原が日本ハムへ移籍し、エースのモイネロが1度も1軍登板していない中でのパ・リーグ独走。負け筋が見えない強さだ。(島尾 浩一郎)