ロッテの藤原恭大は6月30日に一軍復帰してから18試合に出場して、打率.288、3本塁打、12打点の成績を残し、直近5試合では5試合中3試合で複数安打をマークする。
藤原は5月10日のソフトバンク戦の5回の守備で右肩を痛め、『右肩関節前方亜脱臼』と診断され翌日に一軍登録を抹消。6月23日の中日二軍戦で実戦復帰を果たし、ファームで3試合に出場して6月30日に一軍復帰した。
同日の楽天戦『1番・センター』でスタメン出場し4打数0安打1四球3三振も、翌7月1日の楽天戦で2安打、7月4日のソフトバンク戦から7月7日の日本ハム戦にかけて3試合連続安打・3試合連続打点、同期間中に7打点を挙げた。7月5日のソフトバンク戦、0-3の3回一死二、三塁の第2打席、松本晴が2ボール1ストライクから投じた4球目の外角ストレートを右中間フェンス直撃の2点適時二塁打、7月7日の日本ハム戦、6-2の4回一死一、三塁の第3打席、金村尚真が投じた初球の148キロを右中間スタンドへ第4号3ランは素晴らしかった。
昇格直後は早いカウントでの安打、そして長打が多かった。7月8日の取材で藤原は早いカウントで安打が多い理由について「ボール見たら打てないので、なるべく早いカウントでと思っています」とし、角度のついたあたりが多いことについては「ちょっと引っ張ろうと意識と思ってやっています」と明かした。
3月14日の取材で「追い込まれる前は長打を狙って振っている」と話していたが、そのことが関係しているのか訊くと、「そうですね。ちょっと大きいのを狙おうかなと思ってという意識を持ってやっています」と教えてくれた。
長打を狙うスイングがハマっている感じがあるか問うと、「ハマってきている感じはありますけど、逆方向よりも引っ張る方が難しいので、調子の崩しやすさというのはあると思う。そこはうまく調整しながらやっていきたいです」と話した。
その一方で、7月7日時点まででいうと再昇格後、5安打放っていたがそのうち反対方向への安打はわずかに1本。「そこは原点というか、そこからバッティングを作ってきたので、そういうあたりも増えてきたらもっと打撃として上がってくると思います」
7月10日のオリックス戦では、3-4の5回無死走者なしの第3打席、博志が3ボール2ストライクから投じた外角の147キロツーシームを左中間に弾き返す安打を放つ。さらに、4-4の6回一死満塁の第4打席、権田琉成が1ストライクから投じた2球目の外角144キロシュートをライト前に決勝となる適時打を放つなど同日は4安打の大暴れ。
栗原健太打撃コーチは「上がってきた時は実戦の打席数も少なくて上がってきたので、ストレートに対してどうかなと思って見ていたんですけど、ペイペイでホームランを打ったくらいから感覚をつかんだんじゃないですかね」と評価し、「引っ張ろうと思っても引っ張れなかったらダメなので、引っ張れるようなタイミングで練習から意識してやってくれている。それが試合でも出始めているんじゃないですか」と続けた。
藤原は7月20日のソフトバンク戦、「連敗中ですし今日はなんとか取れるようにと思っているので、まず先制することができて良かったです」と0-0の初回無死走者なしの第1打席、大関友久が1ボールから投じた2球目のストレートを右中間スタンドに第5号ソロを放てば、7月23日の楽天戦、0-0の初回無死走者なしの第1打席、古謝樹が投じた初球のストレートをライト線に二塁打、1-1の5回無死一塁の第3打席、古謝が1ボールから投じた2球目のカットボールを右中間を破る適時二塁打を放つなど、コンスタントに長打を放つ。
◆ 左投手に対し打率.395
長打もそうだが大関、古謝といった“左投手”から今季はよく打っている。昨季は左投手に対し打率.235だったが、今季は現時点で左投手に対して打率.395と1割以上高い数字を残す。左投手を打っている要因は「特にないですけど」としながらも、「元から打ってなくても苦手意識はなかったですし、外のスライダーを見逃せているかなと思いますね。別にそんなに。たまたまかなと思います」と多くを語らず。
怪我から復帰してから1ヶ月経つが、現状のバッティングについては「良くない中で、頑張っているのかなと思います」とポツリ。具体的によくない部分について「調子は上がりきっていないが、実力は完全に上がってきている。基礎能力は上がってきているのかなと思います」と力を込めた。
良くないと話しながらも、再昇格後は2試合連続ノーヒットは1度もなく、安打が出ていない試合でも四球を選ぶなど、全く出塁していない試合は一軍復帰後18試合中3試合しかない。シーズンの成績を見ても昨季は452打席で33四球だったが、今季は235打席で既に24個の四球を選ぶ。
「まだ打席数は少ないですけど、上振れはしているのかなと思います。落ち着くと思いますけど、今のところ100点に近い出塁率はあるかなと思います」
◆ 苦手のZOZOマリンで好結果
昨年8月21日の取材で「マリンは風も強いですし、1試合1試合違うので成績を残すのは難しい」と話すなど昨季はZOZOマリンスタジアムで打率.237、2本塁打、7打点だったが、今季はここまでZOZOマリンスタジアムで打率.353、4本塁打、20打点と既に本塁打と打点は昨年を上回っている。
今季に向けて、本拠地・ZOZOマリン対策を行ってきたのだろうかーー。
「ポイントを前にしてカウント悪くなると不利になるので、なるべく早い段階で一発で仕留める。ボールを見ないことを意識しています」
年々進化を続ける藤原恭大。本人も「全部よくなっていると思います」と自信を見せる。個人の成績はもちろんのこと、チームを引っ張る立場としても期待される。「そういう立場になってきているので意識していますけど、まだ結果を何年も残し続けているわけではない。まずは3年、5年とそこからやっていきたいと思っています」。21年に7・8月度の月間MVPを受賞するなど、夏は藤原が得意な季節。「まだまだ状態も上がると思うので、とりあえず打ちまくりたいと思います」。この夏も打ちまくるつもりだ。
取材・文=岩下雄太