「なるべく練習でやってきたフォームで、強く振ったり、そういう意識で違うフォームにならないように。バランスよく自分のスイングをできるような形で試してみたいと思います」。
ロッテの藤原恭大は都城春季キャンプ最終日となった2月11日、対外試合、練習試合に向けてこのように話していたが、ここまで対外試合18試合に出場して、打率.345(58-20)、1本塁打、8打点、7四球、6盗塁の成績を残す。
今季に向けて、昨秋から“長打”を意識した打撃スタイルに取り組む。2月の都城春季キャンプでは、ブレを少なくして頭の位置を動かさないことを意識する中で、ステップ幅を小さくして打った。
練習試合が始まってからは、2月14日のDeNAとの練習試合、2月17日の巨人との練習試合では2ストライクと追い込まれてから、昨季までのようにノーステップで打つのではなく、右足を上げて打てば、2月18日の広島との練習試合では大瀬良大地と対戦した1打席目にヒッチしたフォームで打ち、追い込まれてからノーステップ打法で打った。2月の対外試合序盤はさまざまなフォームを試していた。その意図について藤原は「タイミングとか、いろいろ試していました」と明かす。
◆ 引っ張った安打
2月14日のDeNA戦、2月17日の巨人戦はノーヒットだったが、2月18日の広島戦から3月5日の楽天戦にかけて8試合連続安打。3月13日の西武戦では4安打の固め打ち。
この春は、引っ張ったあたりが多い。2月21日の楽天戦で、2-3の7回二死走者なしの第3打席、今野が1ストライクから投じた2球目のインコース134キロカットボールをライトへ本塁打が良かった。あの打席、始動をいつもより早めて打っているように見えたが、「まっすぐに合わせて打ちに行った結果、変化球に対応できたので良かったと思います」と振り返った。
「追い込まれる前は長打を狙って振っているので、追い込まれてからもそうですけど、去年よりパワーアップしていますし、長打も増えると思います」
3月5日の楽天戦、1-0の6回一死走者なしの第3打席、「去年よりも技術もそうですけど、体も仕上がっているので、シーズン楽しみに自分もしています」と、伊藤樹が2ボールから投じた3球目の138キロインコースフォークをライト前に放った安打は非常に良かった。
引っ張った安打だけでなく、3月13日の西武戦、2-2の7回二死二塁の第4打席、青山が2ボール2ストライクから投じた5球目の143キロストレートを逆らわず左中間を破る適時二塁打も良かった。
シーズンが始まってからも、追い込まれてからは今季も反対方向を中心に打っていく考えなのだろうかーー
「13日の西武戦は、そこまで(反対方向を)意識していなかったです。際どい球をファウル打ちたかった。逆球が来てヒットになりましたが、ヒットじゃなく、インコースの際どい球、落ち球をファウルしたり、しっかり打ちにいった結果、見送れたり、そういうところもオープン戦やっていきたいと思っています」
17日、18日に行われた阪神との2連戦でも2試合連続で安打を放ち、四球を選んでいる。「一番良いシーズン、良い入り方ができていますし、結果は正直気にしていないですけど、内容もいいので、いいシーズンにしたい」と手応えを掴む。
開幕まで残りの期間も「やることは変わらず」とここまでやってきたことをしっかりやっていくつもり。「毎日修正して、パワーアップ。体重、筋肉量、振る量を落とさず、開幕を迎えたいと思っています。それは今できているので、そこは変わらず、なるべく土台を落とさずやっていきたいと思います」。最高の状態で開幕を迎えるため、ブレずに取り組んできたことを1つ1つ丁寧に、1日1日を大事に過ごしていく。
取材・文=岩下雄太