「今年のテーマは体全体のコントロールと、コア、体幹を使って投げるイメージを強くしてやっています」。
ロッテの吉川悠斗は、このオフ自主トレのテーマについてこのように語った。
これまで吉川は“上半身”と“下半身”を連動させて投げることを常々口にしてきたが、それとはまた違った部分なのだろうかーー。
「そうですね、ちょっと違いますね。そこ(上半身と下半身の連動性)もやっているんですけど、次は体と腕の連動というか、今は上半身と末端の連動というところです」。
“上半身”と“末端”の連動を意識することで球の威力の違いについて訊くと、「実際に(打者相手に)投げていないのでわからないですけど、実戦で投げてみてじゃないですか」と話し、「今の所、僕はいいと思っています」と好感触を掴む。
昨季は7月31日に支配下選手登録を勝ち取り、一軍でも2試合に登板し、8月21日の楽天戦ではプロ初勝利を手にした。一軍で2試合投げて、ストレートは通用すると感じたのだろうかーー。
「ちゃんといいところに投げられれば、ある程度抑えられたはず。といっても、真っ直ぐだけじゃ抑えきれないことは、分かりきっていること。そこで変化球をどう使っていくか。二軍は真っ直ぐ主体でも頑張ればどうにかなるという感じですけど、一軍となると真っ直ぐだけ、変化球だけでも拾ってくるので、組み合わせを上手くできたら」。
変化球では、昨季までスライダーとチェンジアップが中心だった。「チェンジアップは改造みたいなのはする気がないので、今のままでいけたらと思うんですけど、スライダーはアナリストの人とも話をして、NPBの平均の中でも球速、変化量が少なめだということで、大胆に変えていけたらなと思います」
スライダーで言えば、昨年6月29日の巨人二軍戦、3-0の3回先頭の湯浅大を2ストライクから縦に落ちるスライダーで空振り三振に仕留めるなど、縦気味に落ちるスライダーを投げていた。縦変化のスライダーを投げていこうとしているのだろうかーー。
「あれはカットが縦に落ちた感じなので、基本的に真っ直ぐ、スライダー、カット、チェンジアップでいけたらと思っています。お話であったのが、今僕が投げているスライダーをカーブということにして、カットをスライダーに置き換えると(NPB)平均くらいになる。プラスで新しくカットをもう1個作ろうということで、今年からは真っ直ぐ、カット、スライダー、カーブ、チェンジアップというふうになるんじゃないかなと思います」。
2月1日の春季キャンプも目前に迫ってきた。「2月の1発目から全体的な完成度を自分の中での今までのトップレベルに持っていけるようにしたい。すぐ実戦も始まると思うので、2月1日からブルペン入るとして、その時点で実戦を意識して投げられるように。真っ直ぐがどうこうとか基礎的な技術じゃなくて、クイックなど実戦的な技術を意識してできたらと思います」。
さらに、吉川は「石垣(キャンプ)か都城(キャンプ)かどっちか言われていないですけど(※1月15日取材時点)、糸満に行けるようにというところに変わりはない。まず糸満にしっかり合わせられるようにというのが第一。その後、しっかりオープン戦でアピールするのが第2で、ひとまず大きい目標は開幕一軍にいられるように。その後は一軍にできるだけ長く、流石に完走は…。ネガティブな話をするのもあれなんですけど、完走は難しいところがあるので、7割方、8割方、一軍帯同できたらなと思っています」と、今季の自身が思い描くプランを口にした。
今季の数字の目標としては、一軍で3勝〜5勝、投球イニングは100前後になってくるのだろうかーー。
「二軍で去年70弱(64イニング)だったので、一、二軍合計して100超えるか120ぐらいかつ、一軍が大半みたいな感じでイメージしていています。優勝するとなった時に、“僕が10勝目指します!”という感じでも全然良いと思うんですけど、僕の中の理想を言えば、他の人にたくさん勝ってもらって、谷間で投げるくらいが今の実力だったら理想なんじゃないかなと思うので、5勝できればいいですね」。
昨季のこの時期は支配下登録を目指す立場だったが、今年は支配下選手で結果を残せば、開幕一軍、その先の先発ローテーション入りも見えてくる。目標をいい意味で裏切るような活躍を期待したい。
取材・文=岩下雄太