
メジャー通算68勝を挙げ、11年ぶりに日本球界に復帰した楽天・前田健太投手(37)=前ヤンキース3A=が16日、楽天モバイルで入団会見に臨み、同じ88年世代で、かつてのエースで巨人・田中将大投手(37)が背負った18番のユニホーム姿を披露。「生涯・楽天」を宣言した。不退転の覚悟を持って2013年以来の日本一を目指すチームを支える。
無数のフラッシュを浴びた前田は18番を背負う覚悟を緊張気味に語り始めた。
「背番号に関しては一番悩んだことですね。やっぱりイーグルスの18番と言えば田中将大ってイメージが強くある」と切り出した。
楽天では同世代の田中将が計11シーズンつけ119勝を挙げた、まさに象徴的な番号だった。「つけるべきではないのかなと考えたりしました。悩みました」
しかし、自身にとっても広島2年目だった08年から25年のシーズン途中まで背負ってきた「とても大事な番号」。球団から提示された時は驚きと同時に喜びもこみ上げた。その後、田中将に「つけてもいいかな?」と連絡。「もちろん、いいよ。いいよ」と快諾を得た。「僕自身も田中将大をすごく尊敬していますし、目指していた、ずっと背中を追いかけていた選手。すごく光栄、うれしいこと」と、エースナンバー継承を決断した。
結果で番号を自分色に染める。「もしかしたら、少し否定的な思いのファンの方もいると思うんですけど、今すぐではなくても僕が18番をつけて取り組む姿勢だったり、チームの勝利に(向けて)全力で戦う姿勢をグラウンドで見てもらいながら、少しでも認めてもらえるように全力で頑張っていきたい」と決意を語った。
球団からは2年契約プラス出来高払いの総額4億円規模の好条件の提示と自身がこだわる先発起用を明言された点が入団の決め手となった。タイガースに所属した今季は春先に投球フォームを崩した影響で思うような結果を残せず、ヤンキース3Aへの移籍も経験したが最速は150キロをマークするなど年齢を感じさせない投球も見せてきた。
この日はテレビカメラ8台、報道陣約70人が集まる中で「生半可な気持ちで球団を選んだわけではないですし、自分のキャリア最後のチームだと思って選んだ。僕はこのチームで終えるつもりで来た」と決意を新たにした。
11年ぶりの日本球界復帰となる来季へ「すごく楽しみですし、ワクワクしている気持ちが一番強い」と高揚感を口にした。2013年以来13年ぶりの日本一への機運を高める存在となれるか。マエケンが仙台で現役生活の“最終章”を迎える。(長井 毅)
〇…楽天・前田が入団会見に集まった約70人の報道陣へ、サプライズで自身が球団マスコットを描いたTシャツを贈った。前田は、プロ野球選手ながらテレビ朝日系「アメトーーク!」の「絵心ない芸人」に出演するなど、個性あふれる絵心の持ち主。球団がグッズを製作するプランについては「僕も簡単には描かないので(笑)。契約には入っていなかったので後々の交渉になります」と“マエケン節”で笑いを誘った。
◆マエケンに聞く
―楽天の印象は。
「投手野手ともにベテランがいて、すごくいい若手の選手もいると思うので、本当に可能性を秘めているチームだと思いますし、優勝が狙えるチーム」
―日米通算200勝への思いは。
「まだ少し遠いので、来年達成できるとかそういう数字ではないので一つ一つ積み重ねていきたい。ただ、この年齢になってなかなか数字の目標を持つのは難しいと思うんですけど、200勝っていうモチベーションになるような数字があるので、そこを目指して頑張っていきたい」
―対戦してみたいパ・リーグの選手。
「清宮(幸)選手(日本ハム)、PL学園の後輩である中川選手(オリックス)。清宮選手は彼が小学生の時にテレビの番組で対戦したことがあって、『もしプロ野球選手になったら対戦しようね』みたいな話をしたので、その時の言葉がかなうと思うとうれしい」
―楽天ファンへ。
「チームの勝利のためにマウンドに上がって、投げる試合は必ず勝利に導きたい。特に前田健太が投げる試合は球場に見に行きたい、そう思ってもらえるような投手になりたい」
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