
西武が育成ドラフト1位で指名した八王子・新井唯斗内野手が12日、東京・新宿プリンスホテルで入団交渉に臨み、支度金350万円、年俸280万円(金額は推定)で入団を内諾した。
最高の“誕生日プレゼント”が贈られた。11日に18歳の誕生日を迎えたばかりの新井。入団を内諾し「今までは実感があまりなかったんですけど、うれしい気持ちもありますし、やらなきゃいけない覚悟はあります」と表情を引き締めた。
自宅は埼玉・所沢で高校は八王子。最速160キロ左腕の羽田は高校の4学年上で地元も同じだ。高校の時、1度だけ対面し「すごく大きかったです」と身長191センチの先輩に驚いたという。「羽田さんと対戦したかったのですが…」と笑ったが、再びチームメートに。「寮の環境とか聞いてみたいです」と積極的に質問するつもりだ。小学生の頃はメットライフドーム(現ベルーナドーム)にも足を運び、ライオンズ戦を観戦。「(現広島の)秋山選手とか好きでした」と同じ左打ちの好打者に憧れていた。
2年秋の都大会後、中堅手から遊撃手に転向。内野手になって日が浅いが、担当の竹下潤スカウトは「足と肩があってポテンシャルが高い。打撃も広角に打てる。内野にこだわらず、外野も視野に入れながらいろんなポジションをやってもらいたいなと思います」と将来像を口にした。
「センスがある」と同スカウトがうなずく才能は野球だけにとどまらない。中3の冬。周囲を驚かそうと、卒業式前日に全校生徒の前でピアノの弾き語りをしようと思いついた。選んだ曲はRADWIMPSの「正解」。それまで未経験だったが、ピアノを習っていた3歳上の姉に教わりながら家で練習。見事に披露した。さらにギターにも。優里の「ドライフラワー」にも挑戦し「イントロだけですが」と微笑。野球でピアノといえば、水島新司さんの野球漫画「ドカベン」に登場する殿馬一人がよく思い浮かばれるが「知らないです」と苦笑した。
現在は来年1月の新人合同自主トレへ向けて、ジムでウェートトレーニングをこなすなど体作りに励む日々を過ごす。「支配下登録を目指して、ゆくゆくは西武ライオンズの柱として戦えるようになりたいです」と新井。たぐいまれなセンスを武器に、周りを驚かせる活躍をみせて地元・所沢の星になる。(秋本 正己)
◆新井 唯斗(あらい・ゆいと)2007年11月11日生まれ、埼玉県出身。小学校2年で野球を始め、新座リトルでプレー。柳瀬中では東京神宮シニアでプレーした。八王子では50メートルを6秒で走るスピード、最速143キロを投げる身体能力の高さを生かして昨秋大会後に外野手から遊撃手に転向。最後の夏は西東京大会準決勝で日大三に敗れた。右投左打、183センチ、80キロ。
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