
◆2025 パーソル クライマックスシリーズ パ最終ステージ 第4戦 ソフトバンク3―9日本ハム(18日・みずほペイペイドーム)
「2025 パーソル クライマックスシリーズ パ」の最終ステージ(S)第4戦が行われ、日本ハムがプレーオフ、CSで球団最多に並ぶ14安打で9得点を挙げて連勝し、対戦成績を2勝3敗(ソフトバンクに1勝のアドバンテージ)とした。絶好調のフランミル・レイエス外野手(30)が、2ラン2発で4打点の大暴れ。新庄剛志監督(53)が0勝3敗となった第2戦後に語った「4つ勝てばドラマ」が現実味を帯びてきた。
三塁ベンチに向かって雄たけびを上げ、レイエスはゆっくりと走り出した。1―1の3回1死三塁、大関のフォークを打球速度174キロの弾丸ライナーでバックスクリーン左にぶち込んだ。勝ち越しの2ランだ。「本塁打より勝利。100%断言できる」。7回2死三塁では左翼へ2ランを放ち、最終S歴代最多に並ぶ4発目。第1Sからの打率を5割7分1厘まで上げた大砲が新庄ハムを乗せた。
体重135キロ、メジャー108発の巨漢は身を粉にしてチームに尽くす。今季は両かかとに痛みを抱えながら強行出場を続けた。DHが主戦場だが、交流戦前には率先して一塁でノックを受けた。足は速くないが、新庄監督が「一生懸命走塁をするところはチーム全体が見習わないといけない。感動します。あの姿勢は、ほんと心打たれる」と言うように手は抜かない。この日の第4打席でも左翼線へはじき返すと全力疾走で二塁へ。勝利のために全てをささげる優良助っ人が、短期決戦で主役となっている。
お立ち台では、母・ドミンガさんから「何かを願うのなら実現するために努力をしなさい」との言葉が原動力になっていると明かしたドミニカン。母には毎日、自身のプレー動画を送信。必ず「あなたのことを愛しているよ」とメッセージが届く。飛行機が苦手な母の来日は難しいが、1万3000キロ離れた家族のエールを力に変えている。
今季打率8分8厘で、パ本拠で唯一、本塁打がなかったみずほペイペイでリーグ2冠の助っ人が目覚め、チームは09年最終S第4戦(対楽天・札幌D)以来のPO、CS球団最多タイの14安打で2連勝。試合後、「(よっ)しゃ!」とガッツポーズした新庄監督は、球団を通じ「今日も明日も選手に聞いてちょうだい」とコメントして球場を後にした。2連敗後に4連勝で突破を決めればCS史上初。0勝3敗の崖っ縁で指揮官が描いた「4つ勝てばドラマ」が、実現しそうな勢いが出てきた。(川上 晴輝)
記録メモ レイエス(日)が3、7回と1試合2本塁打。球団で1試合2本塁打は14年最終S〈3〉戦の陽岱鋼以来2人目。レイエスは今季の最終S〈1〉、〈3〉戦目にも1本塁打ずつ放っており、最終Sで4本塁打。同一Sで4本塁打は14年最終Sの中田翔(日)、17年最終Sの内川聖一(ソ)、19年第1Sの浅村栄斗(楽)に次いで4人目の最多タイ。また、同一年のPO、CSで最多本塁打は08年ウッズ(中)、14年中田の5本で4本以上は7人目。
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