
巨人にFA移籍した甲斐の人的補償としてソフトバンクに加入した伊藤優輔投手(28)が21日、ジャイアンツスピリットを心に秘めて新人王をつかむと誓った。みずほペイペイで臨んだ入団会見で、胸元にはホークスカラーの黄色のネクタイ。「高梨さんからいただいて」と古巣の先輩からの餞別(せんべつ)に手を触れた。
目標は「日本一に貢献すること」。そして「1軍で投げ続けていれば、自然とそういう対象になってくる」という新人王だ。プロ5年目で、投球回は8回2/3と有資格者(5年目以内、30投球回以内)。獲得すれば球団では19年の高橋礼(現巨人)以来で、04年の三瀬に並び最年長タイの28歳シーズンでのタイトルになる。昨年、28歳シーズンで巨人史上最年長の新人王に輝いた船迫も同学年(伊藤は早生まれ)。大きな刺激になっていた。
さらに「交流戦までに、主軸で同級生でもある岡本和真を抑えられる投手になりたい」と同学年斬りも予告。移籍が決まってからは元ソフトバンクの杉内投手チーフコーチに、新天地について「何でも聞いて」とエールを送られた。荒川区出身で「東京から出ることのなかった人間」が、会見前夜に人生で初めて福岡市に上陸して「ゴマサバを食べました」と笑顔。交流戦、そして日本シリーズで巨人を倒すことが、何よりの恩返しになる。(田中 昌宏)
◆伊藤 優輔(いとう・ゆうすけ)1997年1月14日、東京都出身。28歳。小山台3年春の2014年センバツに21世紀枠で甲子園に出場。履正社に敗れ初戦敗退。中大、三菱パワーを経て20年ドラフト4位で巨人入団。21年11月に右肘手術を受け22年から育成契約。昨年7月に支配下に復帰して1軍デビュー。今年1月にFA移籍した甲斐の人的補償としてソフトバンク移籍。背番号42。178センチ、82キロ。右投右打。