「甲斐の数字とほとんど一緒」「めちゃめちゃチャンス」ソフトバンク・小久保裕紀監督が期待する後釜候補2人

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2025.1.1(水) 05:00

昨年の日本シリーズでは悔しい思いをした小久保監督

 ソフトバンクの小久保裕紀監督(53)が2年連続リーグ優勝と5年ぶりの日本一奪回を誓った。球団は今オフ、先発陣底上げを狙い、レッドソックス傘下3AをFAとなっていた上沢、DeNAとのトレードで浜口、現役ドラフトでDeNAから上茶谷を獲得。一方で甲斐が巨人にFA移籍した。球界NO1捕手を失った中、いかにしてチームを頂点にとどまらせるのか。就任2年目の指揮官に聞いた。(取材・構成=田中 昌宏)

 「いる人がいなくなった時に、初めて難しさを感じることになる」

 まだ小久保監督に“甲斐ロス”の実感はなさそうだが、扇の要に開いた穴から目を背けることはできない。それでも昨季から流出に備え手は打ってきた。今季の課題は「甲斐の後釜というのが一番の一番」。海野に昨季51試合でマスクをかぶらせ、第2捕手として起用して成長を促した。

 「『世界一を目指す球団でありなさい』というミッションを受けた監督なので、甲斐がいなくなった途端に弱くなったのでは、仕事としてはできていないということになる」

 「海野のブロッキングとスローイングは甲斐の数字とほとんど一緒」という。昨季あえて1軍に呼ばず、2軍で鍛えた谷川原も打撃と走塁は一級品。内外野をこなすが、“器用貧乏”脱却へと退路を断たせ、捕手一本で起用した。「不満はあったと思うが、野球人生を考えれば、いい一年になったはず。(今季)めちゃめちゃチャンスはある」と期待する。

 恩師・王球団会長の言葉が忘れられない。「初優勝より100倍難しいのが連覇」。99年にダイエーを福岡移転後初優勝に導いた王監督に、翌00年の開幕前、そう言われた。34年ぶり連覇を果たした同年、開幕直後に正捕手・城島を負傷で欠き、前半戦は坊西、吉永、的場がマスクをかぶった。今季の行く末を暗示するようだ。

 「連覇は当然のようで難しいもの。(23年まで3連覇した)『オリックスを倒せ』だった他球団が、今度は『ホークスを倒せ』と来る」

 包囲網は想定済み。一方、99、00年当時の4番打者として感じた福岡の街やナインのお祭りムードはない。

 「今は(近15年で優勝7度と)勝っているチーム。慢心とか、そこまで心配してないですね。(昨季は)全てがハッピーエンドじゃなかった。ファンの皆さんもモヤモヤしたでしょうし、僕自身もそうでした」

 甲斐の穴を感じさせない戦いでV2を達成した先に、昨年は果たせなかった日本一の夢もある。

 ◆小久保 裕紀(こくぼ・ひろき)1971年10月8日、和歌山市生まれ。53歳。星林から青学大を経て93年ドラフト2位(逆指名)でダイエー(現ソフトバンク)入団。95年本塁打王、97年打点王。2003年オフに巨人へトレード移籍。07年からFAで古巣復帰。12年限りで現役引退。通算2057試合で2041安打、打率2割7分3厘、413本塁打、1304打点。13~17年侍ジャパン監督。21年1軍ヘッドコーチ、22、23年2軍監督を経て、24年から1軍監督。右投右打。

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