日本ハム・伊藤大海投手（２７）が７日、札幌市内で野球教室を開き、後進育成への思いを体現した。地元の少年団と野球未経験の少年少女ら計１３０人に投球などを実演。「夢や目標を持って進むのはすごくすてきなこと。僕はそれを思い続けて、夢を実現させて、みんなと出会えた。楽しむことを忘れないで、野球を続けてほしい」と熱く語った。

　外は雪。オフ真っただ中の１２月に、室内練習場のマウンドから真剣勝負した。「打席で球を味わわせてあげたい。中途半端なのを見せてもしょうがない」。キャッチボールで全変化球を披露した後、当初予定になかった打撃練習を自ら提案。故障のリスクもある中でプロでは使用しない軟式球を投げ込み子どもたちに忘れられない時間を提供した。「今日のために仕上げてきた」と照れ笑いしながら「野球を始める前の子が『今日から入団します』と。すごくうれしかった」と汗をぬぐった。

　自己最多１４勝で２冠に輝いた今季。“育成”への思いはチームにも還元する。自軍の後輩へ「僕が何か月、何年もかかって気付いたことを、僕の言葉で一日で気付けるなら、伝えたい。使ってもらいたい」。１月は来季育成５年目の右腕・松本遼のエスコンでの自主トレ参加を快諾。献身性あふれるエースがチームの中心にいる。（堀内　啓太）

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