【西武】育成ドラフト4位の左腕、星槎道都大・佐藤爽投手が仮契約…夢は男手一つで育ててくれた父への恩返し

スポーツ報知

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2024.11.18(月) 06:00

西武と仮契約を交わした星槎道都大・佐藤(右)と水沢スカウト(カメラ・島山 知房)

 西武から育成ドラフト4位で指名された最速148キロ左腕の星槎道都大・佐藤爽投手(21)が17日、札幌市内のホテルで支度金350万円、年俸400万円(金額はいずれも推定)で仮契約を結んだ。1日でも早い支配下契約をつかみ取り、男手一つで育ててくれた父への恩返しを誓った。

 仮契約を終えた佐藤は“爽”やかな表情で将来の目標を口にした。これまでに感謝したい人物を問われると迷わず「父親」と即答し、「お父さんが欲しいって言った物を気にせず買えるくらいの選手になりたい」と夢を描いた。

 佐藤が高校1年時から約7年間、父・恵介さん(48)が弟、妹を含む3人の子どもを一人で育ててくれた。仕事もある中で、キッチンに立ち、昼は弁当、夕食では好物の回鍋肉(ホイコーロー)などを毎日のように手作り。試合前は細かいリクエストにも応えてくれた。プロ入り後は父の“男飯”を口にする機会が少なくなるが「絶対に年1回は帰ってくるので、その時にたくさん作ってもらいます」と照れくさそうに微笑んだ。

 練習にも熱心に付き合ってくれた。一番の思い出は小学校時に二人っきりで行っていた朝練習。「試合で全然打てなくて自分が泣いて、そこから始まりました」。悪天候以外はほぼ毎日、午前5時から2~3時間トスバッティングをするのが日課だった。父は野球経験がなく技術指導は少なかったが、幼い頃にたたき込まれたのは「継続」の大切さ。控えだった中学校、無名だった高校時代も地道に鍛錬を重ね、大学で制球力が持ち味の最速148キロ左腕に成長した。

 今後は1月の新人合同自主トレに向け、北広島市内でトレーニングを続けていく。担当の水沢スカウトからフィジカル面についての課題を与えられており、「(年明けまでに)筋量を上げて、芯をしっかり強くしていきたい。(将来は)エスコンでの登板を実現できるように頑張りたい」。父への恩返し、そして家族が待つ地元での凱旋(がいせん)登板を夢見て、埼玉に旅立つ。

(島山 知房)

  ◆佐藤 爽(さとう・そう)2003年2月9日、北広島市生まれ。21歳。北広島イーストグローリーで野球を始め、大曲中では札幌豊平ボーイズでプレー。札幌山の手高では2年秋にエースとして全道大会に出場した。星槎道都大では今春のリーグ戦で最高殊勲選手賞を獲得し、23、24年と2年連続で全日本大学選手権に出場した。176センチ、81キロ。左投左打。家族は父、弟、妹。

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