【日本ハム】ドラ1・柴田獅子は「大谷2世」にあらず…スカウトが期待する大器の潜在能力とは

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2024.11.14(木) 06:00

12日に仮契約を結び笑顔を見せる日本ハムのドラフト1位・柴田(中央、左は大渕スカウト部長、右は担当の石本スカウト=カメラ・堀内 啓太)

 日本ハムの大渕隆GM補佐兼スカウト部長(54)と担当の石本努スカウト(51)が13日、ドラフト1位指名した福岡大大濠・柴田獅子(れお)投手(18)の魅力を存分に語った。投げては最速149キロ、打っては高校通算19本塁打と投打に才能あふれる大器。球団は「二刀流という言葉を打ち消してスタートする。大谷翔平2世ではない」と独自の育成プラン、柴田との二人三脚で最適解を見つけていくと強調した。

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  無限の可能性を秘めた逸材が北の大地にやってくる。投手か野手か、どちらに絞るかはあえて未定。柴田を追いかけてきた大渕スカウト部長は「未開ですよ。非常にワクワクします。彼の能力を把握し、そこから育成方針が決まる。誰かがやった育成計画に当てはめる考えはない。柴田獅子という人間が一番活躍できる方法は何かを本人と一緒に考えていく」と瞳をギラつかせた。

 美しいフォームから最速149キロを誇る右腕であり、広角に長打を打てる力、対左投手も苦にしないバットコントロールまで兼ね備える18歳。2年秋の時点で直球は130キロ台。一冬を越え急成長した姿に九州地区担当で現役時に外野手として活躍した石本スカウトは「NO1」とホレ込んだ。実力に加え目を奪われたのがマウンドさばきやネクストサークルでの姿。「彼は一喜一憂しない。味方のミスにも腹を立てない。データ勉強にも余念がない。内面、振る舞いの良さにも可能性を感じた」という。

 「未完成」の潜在能力と共にスカウト陣が評価するのが柴田の「頭の良さ」。野球IQに優れ、運動力学への理解も深く「学業とかではなく、野球の頭がいい。ダルビッシュ有や大谷翔平、近藤健介、西川遥輝、田中賢介もそうでした。彼らに似た頭の良さを持っている」と石本氏は言う。プロ入りに向けて既に投手としては軸にしてきたスライダーに次ぐ勝負球を習得中。「自分の感覚を正確に体に落とし込める。現代野球だったらまだまだ伸びていく」と1位指名に至った。

 大渕氏は強調する。「二刀流という言葉からもう我々は脱出している。二刀流という言葉を打ち消してスタートする。投打に能力が高いからこそ、どちらか一つには今できない。まずは両方やってもらって、彼がどう思うか。その能力を我が球団で最大化したい」。時間をかけてでも、見極め、育てる価値が柴田にはある。(堀内 啓太)

 ◆柴田 獅子(しばた・れお)2006年4月18日、福岡・飯塚市生まれ。18歳。庄内小2年から庄内ジャガーズで野球を始め、庄内中では飯塚レパーズに所属。福岡大大濠では1年夏からベンチ入りし2年秋からエース。甲子園出場なし。高校通算19本塁打。直球の最速は149キロ。ニックネームは「レオ」。好きな選手はドジャース・大谷翔平。187センチ、87キロ。右投左打。

 12日に契約金1億円、年俸880万円で仮契約を結んだ柴田は“超堅実”な性格を随所で見せた。1年目の目標を問われると開幕1軍や初勝利、新人王などではなく「身体強化」の文字を迷わず色紙へ。契約金の使い道も「貯金です。堅実に。散財するタイプではない」と即答した。

 投打は「どっちも好き」としながら「どちらかと言われれば打者のほうがホームランも出るので楽しいです」。現在は年明けの新人合同自主トレに向け基礎体力強化に没頭中。「プロに入ってどれだけ投打の技術面に可能性があるかによって変わってくる。プレースタイルの模索を1年目にしたい。どういった選手像になるか全くわからない。それも踏まえて楽しみ」と希望に満ちた表情で話した。

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