ロッテ、第1回・第2回大会は代表ゼロも…今大会は鈴木昭汰、横山陸人、佐藤都志也が代表入り!野球ファンに知って欲しい3選手の特徴
ベースボールキング
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2024.11.13(水) 09:19
侍ジャパンに選出された横山陸人(左)、鈴木昭汰(右上)、佐藤都志也(右下)
『ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12』でオープニングラウンド・グループBに所属する野球日本代表・侍ジャパンは13日、オーストラリア戦(バンテリンドーム)で初戦を戦う。第1回、第2回大会はロッテから侍ジャパンに選出された選手は0だったが、今大会は鈴木昭汰投手、横山陸人投手、佐藤都志也捕手の3人が代表入りを果たした。大会前にマリーンズファンだけでなく、多くの野球ファンに3選手のことを知ってもらいたい。
◆ 鈴木、継続的な取り組みで飛躍
鈴木は昨季ストレートの強さとインコースをテーマに投げ、自主トレは日本通算236セーブをマークする松井裕樹(パドレス)と行い野球に対する考え方、栄養面などを学び、“継続”して取り組んだ結果、自身初のオールスターゲームに出場し、チームトップの51試合に登板、2勝2敗27ホールド5セーブ、防御率0.73と、シーズン通して安定した投球を披露し飛躍の1年となった。
今季の飛躍の要因は様々あるが、鈴木の中では、昨季までに比べて何が一番変わったと感じているのだろうかーー。
「真っ直ぐの質じゃないですか」。
「(ストレートの)制球も良くなったし、しっかりファウル取りたいところでファウルを取れるようになってきたので、それは良かったかなと思います」。
昨年のこの時期はZOZOマリンスタジアムで行われていた秋季練習に参加し、24年シーズンに向けて汗を流していた。昨年の今頃は、プレミア12での侍ジャパン入りを想像して練習していたか質問すると、「全く」とキッパリ。「シーズン中に1試合1試合必死に投げて行ったのが結果につながってきた。来年同じことをやろうではなくて、もっともっと進化するために追い求めて、プレミア前もプレミア後も次のシーズンが始まっているのでしっかり準備していきたいと思います」。
◆ 横山、力強いストレートが武器
横山陸人は専大松戸高から19年ドラフト4位でロッテに入団し、今オフ、ポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を目指す佐々木朗希と同い年だ。横山の武器は力強いストレート。「しっかり自分のストレートが投げられている時は、甘いコースでもファウルになっていますし、指のかかりというところで今日は強さが出ているなと思えば、アバウトな感じで投げて行けている。変に細かいコントロールとかを気にせずというか、追い込んでからは気にするんですけど、甘いノーノーからだったりとかは、とにかく強い球を投げてファウルにできている」と分析する。
今季はシーズン自己最多の43試合に登板して、3勝1敗18ホールド、3セーブ、防御率1.71と多くの部門でキャリアハイの成績を残した。昨季は夏場以降に失点するシーンが目立ったが、今季は8月2日のオリックス戦から9月5日の楽天戦にかけて11試合連続無失点に抑えるなど安定した投球が光った。
10月13日の日本ハムとのCSファーストステージ第2戦で、「ファンの方の声援であったり、今回ビジターだったんですけど、すごい声援だったのでいつもより緊張感はありましたけど、いつも通りの自分の球は投げられたのかなと思います」とプロ5年目で初のCS登板を経験。
CSでの経験を侍ジャパンでも「同じような緊張感があると思いますし、それ以上の緊張感が出てくると思うので、そういうのを気にすることなく自分の投球ができれば大丈夫かなと思うので、しっかりやっていければいいかなと思います」と意気込んだ。
◆ 打てる捕手・佐藤都志也
プロ入り時から“打てる捕手”を目標に掲げてきた佐藤都志也は5年目の今季、石垣島春季キャンプから今季限りで退任した村田修一前打撃コーチから“前に突っ込まない意識づけ”、“イメージの仕方”を教わり、1年間継続し、今季は5年目で初の規定打席に到達し、打率はリーグ4位の.278をマークした。
昨年11月の取材で佐藤は打てる捕手の基準を.250としていたが、それをクリア。「今年が基準になってくると思うので、そこは絶対にクリアしていかなければいけないかなと思います」と今季の打率をベースに来季はもっと数字を上げていきたい考え。
守っても、今季佐藤が先発マスクを被った試合は52勝42敗と貯金を10個作った。「勝たせたというよりも、ピッチャーが良いので、(佐々木)朗希をはじめ、タネ(種市)、小島さん、そこは勝たなきゃいけない。それ以外というか、若いピッチャーもそうですし、そういったところで勝てるように。柱のピッチャー、それ以外のピッチャーのところでどれだけ勝つか、接戦をものにするか大事かなと思います」と謙虚に話した。
◆ 代表として
千葉ロッテマリーンズという看板を背負って3選手が日本代表の一員としてプレーする。
「日本代表に選んでいただいたのでしっかり世界一に貢献したい。それがロッテのためになるんじゃないかなと思います」(鈴木昭汰)
「チームとしても個人としても日本代表のユニホームを背負っている以上は恥のない投球というか、情けない投球はできないと思うので、自分にプレッシャーをかけてしっかりやっていけたらいいのかなと思います」(横山陸人)
「代表で行く以上はロッテの名前を背負っていかないといけないですし、あいつらのおかげで勝てたんだなという良いニュースがあれば、いいのかなと思っています。そうすると、ロッテの知名度が上がると思うので頑張りたいなと思います」(佐藤都志也)
これまで野球の国際大会は他国の代表チームにロッテの選手が選ばれることはあったが、日本人選手が侍ジャパンに選出されたケースは近年の大きな大会で言えば、第5回ワールドベースボールクラシックの佐々木朗希くらいだ。そして今回3人の選手が日本代表の一員としてプレーする。彼ら以外にも小島和哉、髙部瑛斗、種市篤暉、藤原恭大など日本代表に選ばれそうな選手も増えてきた。まずは今日から始まるプレミア12で、鈴木、横山、佐藤の活躍に期待したい。
取材・文=岩下雄太