【ソフトバンク】全戦4番出場で2冠の山川穂高、FA移籍即優勝 MVP最有力…小久保監督の助言で後半戦18発

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2024.9.24(火) 05:00

優勝し笑顔の山川穂高(中央)(カメラ・中島 傑)

◆パ・リーグ オリックス4―9ソフトバンク(23日・京セラドーム大阪)

 開幕戦から4番の大役を担い続けた。ソフトバンク・山川穂高内野手(32)は32本塁打、94打点の2冠で、リーグMVPの最有力候補だ。シーズン135試合目も、チームただ一人の全試合出場を続けた。西武からFA移籍1年目でのV。直近も2戦連続のマルチ安打、25試合連続出塁と安定感を発揮し、「うれしかったです。打てない時期が多かったのでそこは悔しかった。周りが打ってくれて助かりました」と喜びをかみ締めた。

 チームを思えば、痛いともかゆいとも言わない。5月19日の西武戦(みずほペイペイ)でアブレイユから左手甲に死球を受けた。直後は体が震えるほどで、患部は腫れ、衝撃で皮膚の一部がめくれた。それでも同21日の次戦(楽天戦=みずほペイペイ)には何食わぬ顔でスタメン出場。「折れてても力が入ればいいじゃないですか。折れてても試合に出る人はいるので」と責任感を口にする。

 不振も乗り越えた。5月下旬から130打席ノーアーチに陥るなど、前半戦はわずか14本塁打と期待に応えられなかった。「食事してからですかね。大きいと思います」。球宴期間中の7月22日、小久保監督に誘われ、チームメートとともに札幌市内の和食店へと出かけた。普段は選手への技術指導はコーチに任せている指揮官から、初めてアドバイスを授かった。「左足を上げた時に、右足が伸び上がりすぎていた」。右膝を少し折って目線を低くする。マイナーチェンジが後半戦18本塁打の呼び水になった。

 昨季は女性問題の不祥事があった。騒動後は母親、妻との3人で家族会議を開いた。現役引退も真剣に議論したが、妻からは「任せる」との一言。「もう少し頑張ってみよう」と腹を決めた。移籍が決まった際は西武の関係者、一人一人に電話して感謝の思いを伝えた。

 4月12日の古巣・西武との初対決(ベルーナD)では、客席から強烈なブーイングを浴びた。だが、翌日には2打席連続満塁本塁打を放つメンタルの強さを発揮した。西武時代の19年に2年連続本塁打王とリーグ優勝を成し遂げたVの使者。明るい性格でチームに溶け込み、歓喜の輪の中心にいた。

 ◆MVP争い 打者では32本塁打、94打点で2冠の山川が有力。右足首捻挫で9月17日に離脱したが、すでにシーズン規定打席に到達してリーグ唯一の打率3割(3割1分4厘)、同唯一の出塁率4割(4割3分9厘)をマークしている近藤も候補に挙がる。投手ではリーグトップタイ13勝の有原、同トップの防御率1・94と安定しているモイネロらが候補とみられる。

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